仮想通貨を安全に保管することができるウォレット。
普段私たちはお金をお財布に入れて置いたり、銀行に預けたりしています。
仮想通貨のお財布や銀行の役割を果たしているのがウォレットなのです。
今回は仮想通貨の中でも人気急上昇中のNEM(ネム)におすすめのウォレットについてご紹介します。
そもそもネムってどんなコイン?
ネム(NEM)は“New Economy Movement”を略した名前で新しい経済活動を目的に作られました。
ネムというのは元々プラットフォームで、そのプロジェクトで使われる通貨のことをXEM(ゼム)と言います。
- 通貨名:NEM
- 通貨単位:XEM
- 公開日2015年3月31日
- 発行上限枚数:8,999,999,999XEM
- 時価総額:306,013,112,867円(2018年5月22日現在)
- 時価総額ランキング:14位
ネムの特徴は?
ネムは以下のような特徴があります。
- Polを採用
- ハーベストを行う
- ネームスペースとモザイクという仕組み
- 送金の際にはメッセージが必要
Polを採用
取引の承認を誰がするのか決める仕組みであるコンセンサスアルゴリズムとして独自の仕組みであるPol(Proof of Importance)を採用しています。
PolはPoS(Proof of Stake)という既存の仕組みを改良して作られました。
Polでは重要度が高ければ高いほど、取引が承認されやすいという仕組みになっています。
この重要度は保有している通貨の量や取引の活発さが考慮されるため、流動性が下がることをある程度解決されるとしています。
また、仲間内で無意味に取引を繰り返して重要度が上がることが無い様に、取引を活発に行っている集団を見つけて、そのグループが小さい場合は、どんなに取引量が多くても重要度が上がらないようになっています。
ハーベストを行う
ハーベストとはいわゆる取引の承認作業のことで、ビットコインでいうマイニングになります。
ハーベストはローカルハーベストとデリゲートハーベストの2つの方法があります。
この違いは自分でやるか、特別なノードに代わりにハーベストをしてもらって報酬の一部をもらうというものです。
ネームスペースとモザイクという仕組み
ネムにはネームスペースとモザイクという仕組みがあります。
- ネームスペース:インターネットのドメインのようなもの。最大三層構造からなり、通貨の住所のような働きがある。
- モザイク:ネームスペースやサブネームスペースで発行される仮想通貨。NEMでこのモザイクを使ってICOなどができる。
送金の際にはメッセージが必要
ネムは取引所へ送金を行う際にメッセージを必ずつけないといけません。
ビットコインなどの他の仮想通貨もメッセージ機能がありますが、
ネムのように必須なものではないため、メッセージの使用頻度としてはネムが圧倒的に多いでしょう。
メッセージをつける目的は、ネムを送金するアカウントを識別するためです。
取引所内にあるアドレスでメッセージに指定されたアカウントに入金されるという仕組みなのです。
ウォレットとは
そもそもウォレットとはどのようなものなのでしょうか。
ウォレットにはいくつか種類があり、以下になります。
- 取引所ウォレット
- ウェブウォレット
- ソフトウェアウォレット
- ハードウェアウォレット
なお、セキュリティの安全性は下に下がれ下がるほど高いと言えます。
取引所ウォレット
まずは最も使っている人が多いのが取引所ウォレットです。
取引所で購入した仮想通貨をそのまま保管することができ、売却するときもウォレットからそのまま売却できます。
取引所のウォレットはその取引所での取引ならそのまま売買できますので、財布に最も近いと言えます。
ただ、取引所にはハッキングや倒産の危険があります。
日本国内の主要取引所(ZaifやbitFlyerなど)は突然倒産することは無いと思いますが、
国内最大級の取引所であったcoincheckがNEM大量流出で大変なことになりましたので、置きっぱなしにするのはやめたほうがいいでしょう。
ウェブウォレット
ウェブウォレットはYahoo!メールなどのようにIDとパスワードを入れて使うウェブサービスです。
例えば、ビットコイン用の「Bloclchain.info」やイーサリアム系コイン用の「MyEtherWallet.com」などが挙げられます。
ただし、こちらもハッキングやセキュリティ上でのリスクがあります。
また、URLが微妙に違う「フィッシング詐欺」などもありますので、ウェブウォレットを使うときはURLをよくチェックしたほうがいいでしょう。
ソフトウェアウォレット
一般的によく選ばれているのがソフトウェアウォレットです。
これは自分のパソコンやスマホにソフトウェアをダウンロードして使用します。
IDとパスワードを第三者のサーバーに送らないためハッキングされるリスクが低いです。
パソコンにウィルスをしこまれたり、パソコンをハッキングされないかぎり不正ログインで送金ということが起きないため、取引所のウォレットが「財布」ならソフトウェアウォレットは「金庫」に近いでしょう。
ハードウェアウォレット
もっとも安全で使い勝手がいいのがハードウェアウォレットです。
安全性という面ではハードウォレットは「銀行」に近いと言えます。
ハードウェアウォレットは小さな電子端末に秘密鍵を保管します。
保管している間はインターネットと繋がっていないため、誰かにハッキングされることがありません。
もちろん紛失や故障をしてもパスフレーズが分かれば復元することができますので、パスフレーズは紙に印刷して無くさないように保管しましょう。
ただ、他のウォレットとは違い、値段が高く、対応していない通貨が多いことや、基本的にマイニングには対応していないなどのデメリットがあります。
ネムを保管するならどのウォレットがいい?
ネムを保管するならどのウォレットがいいのでしょうか。
- ハードウェアならTREZORがおすすめ
- パソコンならNano Wallet
- スマホならNEM Wallet
ハードウェアならTREZORがおすすめ
安全性を重視するならはハードウェアが最もおすすめです。
ネムの場合は「Nano Wallet」という公式のソフトウェアウォレットと連携して使用することになります。
TREZORに秘密鍵を保存して、ネムを動かすたびにUSBに差し込んで接続しなければいけません。
この工程を入れることで、セキュリティが各段にアップしています。
TREZORは公式サイトから直接購入しよう
ハードウェアウォレットはできるだけ公式サイトで購入するようにしましょう。
海外サイトから購入することになりますが、国際宅急便で数日で受け取ることができます。
アマゾンや素性のわからない業者から購入すると、マルウェアやウイルスが仕込まれている可能性もあります。
ハードウェアを購入するとき「正規品」と書いてあっても実際は不正なソフトウェアが仕込まれていて、ビットコインが盗まれてしまったという話がネットで話題になりました。
仮想通貨の詐欺に会わないように公式サイトでTREZORを購入しましょう。
パソコンならNano Wallet
Nano Walletはネムの公式がおすすめしているウォレットです。
そのため、どのウォレットにしようか迷っている場合はこちらを利用するのがおすすめです。
先述したようにハードウェアウォレットのTREZORと連携して利用することができるのですが、もちろんデスクトップウォレットのみでもインストールすればすぐに使うことができます。
Nano Walletは公式サイトからダウンロード可能!
Nano Walletは公式ホームページからダウンロードできます。
最初英語になっていた場合はLanguageボタンで日本語に切り替えることで、日本語表示になります。
そして左隣にアカウント作成ボタンを押すことで、作成することができます。
ちなみにシンプルウォレットとブレインウォレット、プライベートキーウォレットの3つがあるのですが、基本的にはシンプルウォレットを選択すればOKです。
なおウォレットの違いは以下になります。
- シンプルウォレット:ウォレットが秘密鍵を自動で作ったパスワードを利用して暗号化する(バックアップするにはwltファイルとパスワードが必要)
- ブレインウォレット:パスフレーズから秘密鍵を作る(バックアップはパスフレーズのみが必要)
- プライベートキーウォレット:すでにネムのアカウントを持っていて秘密鍵を持っているときのみ利用ができる(バックアップには秘密鍵のみ必要)
スマホならNEM Wallet
NEM Walletはスマホアプリ版のウォレットです。
このウォレットはスマホでどこででもNEMのハーベストの状況を確認したり、アドレス帳に送信先を登録することができるため、とても利便性があります。
ちなみにiPhoneならApple storeで、androidならGoogle playからダウンロードすることができます。
NEM Walletでできること
Nem Walletアプリでできる事は以下になります。
- Nano Walletアカウントとの同期
- アカウントの新規作成
- NEMの残高確認
- NEMの送金や着金
- ハーベスト報酬履歴の確認
このようにスマホアプリでもパソコンと同じように使うことができるため、非常に利便性が高いウォレットだと言えるでしょう。
NEMおすすめのWalletまとめ
いかがでしたか?
今回はネムを保管できるおすすめのウォレットについてご紹介しました。
ウォレットは用途によって使い分けることをおすすめします。
こまめに取引を行うなら取引所のウォレットに使う分だけ、しばらく使わないならソフトウェアウォレットやハードウェアウォレットを使うようにしましょう。
いくつかのウォレットに分散して保管することで、流出したときの被害を防ぐことができますので、うまく使い分けていきましょう。