日本でも様々仮想通貨取引所が仮想通貨交換業を取得して営業を開始する中、ツイッターでも社長自ら行なっている荒川社長のTAOTAOについてトレーダーの視点から徹底解説したいと思います。
一般的なメリット、デメリットではなくトレードを行う上で考えることを中心にトピックを取り上げています。普通のメリット、デメリットに関しては他の記事をご覧ください。
今回のゼロはじMarketGuide専門家
証券アナリスト・中島翔
証券アナリスト・中島 翔
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。
その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。
その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。
さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。
仮想通貨トレードに関しても、仮想通貨取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。
【保有資格】証券アナリスト
トレーダー視点からTAOTAOを徹底解説
TAOTAOの特徴
TAOTAOのレバレッジのスプレッドは有利
最初のトレーダーの視点から使いやすい取引所と言えるでしょう。スプレッドとは「売り」と「買い」のレート差を表しています。スプレッドとはトレーダーからの「実質的なコスト」です。
下記がTAOTAOのレバレッジのプライスとスプレッドを表しています。(画像では値動きが激しい日のためスプレッド(SP)が開いていますが、TAOTAOは通常時BTCJPYのスプレッドは450円(約0.045%)程度まで縮小します。)
このスプレッドが実質コストであるということはとても大事なことであるためしっかりと理解しておきましょう。
例として、上記の価格でBTCJPYロングポジションを構築した場、価格は@918,810でポジションを取ることができます。しかし市場で取引されている取引板での価格は
(917,340円+918,810円)÷2 =918,075円
が市場の成立している実勢レートです。実勢レートとTAOTAOが顧客に提供している918,810円の差分がTAOTAOの利益部分となっています。
実際にTAOTAOが行なっていることは、
1.顧客に918,810円でロングポジションを提供
2.TAOTAOのポジションでショートポジションが発生
3.市場の実勢レート付近で、カバー取引を行いリスクヘッジ(ここで利益が確定)
というフローでオペレーションを行なっています。このカバー取引をリスクが0になるまで行うかどうかはTAOTAOのリスク許容度次第ですが、利益を出すために上記に近いオペレーションを行なっているということです。
TAOTAOのスプレッドは下記の表の通り、ディーカレットに次いで二番目に狭いスプレッドを提供しています。
しかしこのスプレッドも足元は競合他社が横並びになりつつあります。
大事なことは「最小スプレッド」ではなく、「最小スプレッドをどこまで維持できるか」ということでしょう。
大きく値幅が出た時にスプレッドが広がってしまうような取引所は使いにくいため、その点ではTAOTAOは以前は広がりやすかったものの、最近では改善されているため使いやすくなっていると考えていいでしょう。
Trade Blotter
次にご紹介する機能は 「TAOTAO独自の機能」とも言えるでしょう。
「Trade blotter」という機能があり、「未決済建玉がどこで積み上がっているのか?」、「今注文が出されている指値の位置がどこにあるのか?」が視覚的に把握できるものです。未決済建玉とは「Open Interest」というもので、マーケットでポジションはまだ残っているけど、まだ決済されていないポジションということを指しています。
この重要性を解説するためにどのような表示があるのか下記をご覧ください。
画像の左側が「未決済建玉」を表示しており、右側が「指値の位置」を示しています。
未決済建玉は他のサイトでは通常「未決済建玉の総量」は把握できるものですが、TAOTAOのようにロングポジションの未決済建玉がどの位置で積み上がっているのか、ショートポジションの未決済建玉がどの位置で積み上がっているのかまで把握できるサイトは他にありません。
この情報というのはとてもトレーダーにとっては大事なので、この使い方を後述したいと思います。
このようにTAOTAOのみの情報ではあるものの、日本のマーケットの縮小図としてこの情報は役立てるべきものであり、この情報のために口座解説をすべきとも言えるほど価値があるため、必ずチェックするようにしましょう。
未決済建玉の使い方を簡単に説明します。未決済建玉が大きく積み上がると、その後の値幅が大きくなります。
それはまだ決済していない人が増えているため、急に相場が動き出すと一気にポジションの巻き戻しが入りやすいからです。
例えば上記の情報を使ってトレードするのであれば、900,000円の位置でロングポジションが積み上がっており、また800,000円の位置でもロングポジションが多いことがわかります。
つまり、この位置まで相場が下落して戻ってきた場合、損切りの売り注文が出やすくなり、この位置を節目に一気に相場が動きやすいということが把握できるということです。
トレードで活かすにはその位置から短期的なショートポジションを構築することで、ロングポジションで損失を被ったトレーダーのフローを利用して利益を出すことができます。
実際にはこのように単純な方法で簡単に勝てるわけではありませんが、他のテクニカルと併用することで正確なトレードができるようになるため見方はきちんと理解するようにしましょう。
次に指値の位置を把握することも重要です。
指値の位置は通常あまり公表されていないためとても有益な情報となります。指値の位置が溜まっているということは「そこで価格は止まる」と考えている投資家が多い表れでもあるため、その位置を把握しながら、テクニカル分析で別の視点から本当にこの位置で止まるのか判断しましょう。
入出金手数料が無料
トレーダーとして気にするのは「入出金手数料」です。
TAOTAOに関して法定通貨、仮想通貨共に入手金手数料は無料となっています。やはり他の取引所への仮想通貨の送金というのは今後トレードする際頻繁に発生するものになるため、この手数料は「塵も積もれば山となる」というように負担になってきます。
しかしTAOTAOはそこを無料にしてくれているので安心して利用できるでしょう。
Binanceと戦略的提携
最後の特徴としては「BINANCEと戦略的提携」を行なったことです。BINANCEは仮想通貨取引を行なっている者にとっては知らない人はいないでしょう。
BINANCEが持っている商品のラインナップや、仮想通貨の技術、サービス等を考えると今後日本で仮想通貨の規制が固まってきた際に一気にTAOTAOは有利な地位を築けるのではないかと思います。
またサービスに関してもスピード感が出ると予想されるため、トレーダーとしては今すぐではなくても今後の動きは必ずチェックしておかないといけない取引所になったことは間違い無いでしょう。
TAOTAOのデメリットは?
スマホアプリではテクニカル分析ができない
TAOTAOのスマホアプリはとてもシンプルで見やすい設計になっており初心者に使いやすい仕様になっています。しかしトレーダーとしてとても重要な「テクニカル分析」の機能が備わっていません。
この機能がないというのはかなりの痛手と言えます。そのため頻繁に細かくトレードする方は不向きな仮想通貨取引所と言えるでしょう。
レバレッジ取引でも5通貨しか種類がない
次のデメリットは「通貨数の少なさ」です。メジャーカレンシー(BTC,ETH、XRP)を売買する目的であれば問題ありませんが、現在他の仮想通貨取引所で提供している通貨が全て揃っていないことから、そのような通貨は取引できない点はデメリットと言えるでしょう。
利用できる通貨の種類は
「BTC、ETH、XRP、LTC、BCH」の5種類となっています。
TAOTAOを利用する場合は通貨が限定されているため注意しましょう。
TAOTAOはTrade Blotterのために口座開設するべき
最後にTAOTAOをについての結論は「口座開設すべき取引所」と考えています。その理由としては「Trade Blotter」の有益性にあるということです。あのような情報はお金を出しても普通は欲しい情報を無料で提供している時点で凄い取引所だなと感じます。
ユーザー目線で、特にトレーダー目線が反映されたサービスなので必ず口座開設はするようにしましょう。
取引をする場合は短期のデイトレードではスマホアプリでテクニカル分析がないため利用しにくいですが、中長期トレードであれば問題なく利用できます。web上のテクニカル分析は使いやすく、見やすい仕様になっているため、PCからの取引は行いやすい取引所です。
まずは口座開設をして上記のトレーダー目線で記載したメリット、デメリットを自分自身で把握して、判断してみましょう。