取引所には最近大手IT系企業や金融グループが既存の取引所を買収して運営することが多くなりました。
昔からある国内取引所と言えばCoincheckやbitflyer等が自社開発で全て取引プラットフォームから開発してますが、大手金融グループやIT企業が買収したことで、既存のサービスが格段に向上した暗号資産取引所がたくさんあります。
代表的なのはGMOコインや、DMMグループ、ネット証券最大手のSBIグループが大手から参入した有名企業でしょう。
ここでは、その中でもDMM bitcoinについての特徴をトレーダーの視点からサービスを説明し特徴を解説したいと思います。
今回のゼロはじMarketGuide専門家
証券アナリスト・中島翔
証券アナリスト・中島 翔
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。
その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。
その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。
さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。
暗号資産トレードに関しても、国内取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。
【保有資格】証券アナリスト
DMM bitcoinを徹底レビュー
DMM bitcoinとは
まずはDMM bitcoinについて説明したいと思います。
DMM bitcoinはIT企業大手のDMMグループの傘下の暗号資産取引所です。
元々は、株式会社東京ビットコイン取引所という名前から商号を変更してDMM bitcoinとなりました。平成30年1月11日に商号変更後の新ブランドとして立ち上げています。
親会社から資本力には全く問題ない企業と言えます。またDMMグループ自体もFX事業を行なっていることから暗号資産取引所の運営は難しくないでしょう。
ここからはDMM bitcoinの特徴やオススメの使い方について解説していきます。
DMM bitcoinの特徴
DMM bitcoinはアルトコインのレバレッジ取引で利用しやすい
DMM bitxcoinの特徴としては、アルトコインのFXを行いたい場合は利用すべき取引所でしょう。
現在、暗号資産FX取引が可能な銘柄数は18通貨となっています。特にDMM bitcoinの特徴は「暗号資産同士の銘柄がある」ということです。
アルトコインFX取引の取扱通貨数の豊富さもさることながら、暗号資産同士の銘柄があるということはとても大きいことです。
通常の比較サイトではこのメリットが解説されていないため、ここでは暗号資産同士の銘柄をどのように利用することでメリットがあるのかということをここから解説したいと思います。
暗号資産同士の銘柄を取扱う理由は個人的に2つあると考えています。
1,暗号資産自体のリスクを取る必要がない
この答えの意味がわかりにくいと思いますので説明します。
例として、XRPBTCの銘柄でロングポジション(XRPをロング、BTCをショートしていること)を保有した場合に置いて、BTCが大きく下落した際に対XRPで考えるとXRPBTCのレートは上昇します。
もしも暗号資産全体のマーケットが下落していた場合、XRPJPYやBTCJPYでポジションを取ると、暗号資産マーケット全体が下落するとマイナスが発生することがわかります。
しかし、XRPBTCの場合XRPJPY、BTCJPYどちらも下落した場合においても、XRPが相対的にBTCよりも下げ幅が小さければ利益が出せるということです。
2,相場の方向性が中長期的にわかりやすい
次のメリットとしては現在の暗号資産のドミナンス(市場占有率)をご覧いただくと理解しやすいでしょう。
このドミナンスは、暗号資産全体における各通貨の市場占有率を示しています。
つまり暗号資産同士の取引を行うというのは、この各通貨の市場占有率がどのように変化するのかを予想するということになります。
2017年後半から2018年初頭にかけてのバブル崩壊以降ビットコインの占有率が高まってきています。これは市場内のプレイヤーが個人中心から法人、機関投資家やヘッジファンド等流動性が必須なプレイヤーのため、暗号資産を最初取引すると考えるとなると自動的にビットコイン一択になっていることがこのドミナンスの変化に現れています。
このように、大口投資家や法人が暗号資産を取り扱う機関が今後も増加するのは必然の動きのため、ビットコインのドミナンスが大きく低下するということは考えにくいことから、ビットコインのドミナンスがイベント等で一時的に下落した場合に暗号資産同士の銘柄でビットコインをロングする方向でポジショニングを行うと利益をあげやすいと考えているからです。
この2点が暗号資産同士の銘柄を取引するメリットであり、DMM bitcoinを取引するメリットとも言えるでしょう。
モバイルアプリのユーザビリティー
DMM bitcoinのもう一つの特徴は「モバイルアプリの操作性」です。
DMM bitcoinのアプリ取引のUI/UXには定評があります。やはりシンプルで簡単に分析も注文もできるものを日本のユーザーは好む傾向があります。
Coincheckがあれだけ暗号資産初期段階で利益が上がっていたのもこのアプリのUI/UXが素晴らしかったと言われており、このシンプルで使いやすいデザイン性は日本人にとっては必要なものです。
DMM bitcoinはFXですでにこの基盤となるアプリは保有しており、そのFXのアプリに汎用性を持たせて暗号資産にそのまま利用しているようでとても使いやすいアプリとなっています。
またテクニカル分析もスマートフォンで行いやすくなっており、特に不便と感じることもないでしょう。
手数料がすべて無料
最後の特徴としては「取引手数料や入出金手数料がすべて無料」という点です。
やはり入金や出金の度に手数料がかかるということはコストを考えるトレーダーからするともったいないと感じるでしょう。
この点DMM bitcoinの全て手数料無料というのは利便性を考えたサービスの一つとしてメリットと言えるでしょう。
DMM bitcoinのデメリット
次にDMM bitcoinのデメリットについて解説していきます。
出金が遅い
DMM bitcoinのデメリットとして、すぐにお金が必要になってもすぐに引き出せないということです。
下記は日本円の入出金の表ですが出金欄を見ると「出金依頼後3銀行営業日以内」となっています。
暗号資産取引所の出金は大体翌営業日対応のところもありますが、この点DMM bitcoinはアンフレンドリーな対応となっている点は否めないところです。
そして暗号資産の出庫に関しても下記の通りとなっています。
出庫も「出庫依頼受付後3営業日以内」となっており、なぜか暗号資産なのに営業日ベースで処理しているところから見ると人的リソースを使っているのでしょう。コールドウォレットからの引き出しは確かに人の手が必要ですが、すぐに送受金ができる世界の暗号資産で営業日ベースの対応はナンセンスだと感じざる得ない対応となっています。
板取引でレバレッジ取引ができない
DMM bitcoinのもう一つのデメリットは「板取引のレバレッジ取引ができない」点です。
レバレッジ取引の相手方となるのはOTCレバレッジのため常にDMM bitcoinとなります。bitflyerみたいにレバレッジ取引の板取引ができないのはデメリットであり、DMM bitcoinのプライシングによってスプレッドが広がったりする点があることから、流動性の状況に応じては悪いコストでの取引を余儀なくされる時もあるでしょう。
OTCレバレッジ取引の注文画面は下記のような画面で、顧客の売り(bid)と顧客の買い(ask)のレートが別れて表示されているというものです。2wayプライスと言われています。
DMM bitcoinを利用すべきユーザーの特性は?
最後にDMM bitcoinを使うユーザーの特性をご紹介します。
DMM bitcoinのメリットは上述した通りであり、暗号資産のレバレッジ取引を行いたいユーザー、そして暗号資産同士の銘柄で取引を行いたいユーザーであれば必ず開設すべき暗号資産取引所と言えるでしょう。
また取引ツールも素晴らしく定評があるため取引主体で利用する取引所としては選択肢として入れる取引所と考えます。
一方で出金に時間がかかるためすぐに出金させたいニーズがあるユーザーや、海外取引所とのハブとした取引所の利用方法には出金時間がかかることため利用しにくいといえます。そのためDMM bitcoin内で取引するユーザーが向いているということになります。
まずは一度口座開設を行い、ツールの画面や使い方を自身で利用して判断してみることをオススメします。