やさしい仮想通貨の始め方を解説

【証券アナリストが解説!】コロナショックとリップル相場

今年1月から急遽登場したコロナ問題

特に中国の春節を皮切りに世界に拡大し、金融市場に甚大な影響を及ぼしました。

またこれは伝統的なアセットクラスのみではなく仮想通貨市場にも影響が出ています。

仮想通貨という投資対象で初めて投資をスタートした投資家にとっては未曾有の危機とも言える状態の人もいるでしょう。

特に個人投資家は逆張りでトレードする傾向があるため、一気に同じ方向に価格が変動するとロスカットや強制退場を余儀なくされていることだと思います。

ここではどのようなことがコロナショックで起きており、その背景がある中で日本人に人気のあるリップルに焦点を当てて解説したいと思います。

今回のゼロはじMarketGuide専門家

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証券アナリスト・中島翔

プロフィール

証券アナリスト・中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。

その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。

その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。

さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。

仮想通貨トレードに関しても、仮想通貨取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。

【保有資格】証券アナリスト

コロナショックとリップル相場

コロナショックで何が起きているのか?

最初にリップルに焦点を当てる前にコロナショックによって世界の金融市場に何が起きているのかを解説したいと思います。

コロナウィルスは2019年12月に中国武漢省で最初に原因不明の肺炎患者が発見されました。

そして2020年1月に新型コロナウィルスであるとの公表がなされています。

その辺りは市場では全く気にする気配はありませんでした。

しかしその後1月からタイや東南アジア、そして日本でも感染が確認され始めており、ちょうどその辺りに中国の春節が被ったことで、中国人観光客が春節で世界へ旅行に行ったことで感染が拡大したと考えられています。

では世界の投資対象となっている商品の動きをチェックしましょう。

上記は伝統的なアセットクラスのそれぞれの動きです。

黄色がNYダウ、赤色がGOLD、水色がドル円、青色が米国債10年金利です。

このようにしてみると2月下旬あたりから債券金利が最初に低下、GOLDの価格も上昇する中でドル円とNYダウがリスク回避の動きが強まる中下落を続けています。

しかしポイントは債券金利が上昇(債券価格が下落)GOLDも下落しながらNYダウも下落しているということです。

この動きは通常の金融市場ではあまり見られない状態ですが、通常のリスク回避という動きではなく、投資家が「何も投資したくないから現金にしておく」というパニック的な動きがこの動きの理由となっています

とりあえず現金で持っておこうとしており、このようにリスク回避姿勢が強まるのを通り越して現金至上主義のような動きはリーマンショック程度の大きなインパクトがないとなかなか見られない動きのため、この違いは注意しましょう。

ではこの時の仮想通貨の動きはどうなったのかをNYダウと合わせてチェックします。

上記は黄色がNYダウで赤色がビットコインの動きになります。

このようにしてみるとビットコインをリスク回避通貨という主張が完全に的外れなのがわかるでしょう。

リスク回避通貨なのであればNYダウが下落するとビットコインは上昇するはずです。

しかしこれもある意味GOLDが下落しているところを鑑みると現金化の動きの一つと言えるでしょう。

ではなぜ現金化の動きが仮想通貨も含めて続いていたのか??

それは証拠金不足のための充当資金を作るためや、追証によるマージンコールに対応するためと考えられます。

また下落し過ぎて評価損を膨れあがることに対しての恐怖感が投資をギブアップさせることに繋がり、投資家の最後の売却を迫られたということも考えられるでしょう。

では金融市場全体で何が起きていたのかを解説したので、次に仮想通貨とリップルに焦点を当てて行きたいと思います。

コロナショックでの仮想通貨市場とリップル相場

次に仮想通貨のみに焦点を当てて動きを見ていきたいと思います。

まずは価格の値動きです。

上記の右軸二番目が2019年3月を100としてそれぞれの通貨を比較したものです。(4月3日時点)

黄色:ビットコイン、オレンジ:イーサリアム、水色:ライトコイン、赤色:リップルとなっています。

2019年3月を基準にみるとビットコインは80%超の上昇を見せており、どれだけここ一年間強かったのか理解できるでしょう。

そして次にオレンジのイーサリアムが若干の上昇を示しています

そしてライトコインとリップルが基準日からの水準を割れて推移していますが、特にリップルは半値近くとなっておりかなり売り込まれているのがわかります。

また2月下旬からの下落幅は30%超を超えており、ほぼビットコインと同様の下落幅を見せています。

その後の反発力を見てもビットコインはある程度持ち直していますが、リップル含めたアルトコインの反発力の弱い状況は変わっていません。

これはあくまでまだ仮想通貨市場ではビットコインが一番強いということを示唆しているとも言えるでしょう。

次にリップルのテクニカル面から何が推測できるか見てみましょう。

上記は年明け前から年初の上昇を経て急落したリップルのチャートです。

昨年末の年初来安値を更新して先日の急落と共に今年の年初来安値を更新しました。

現在は自律反発局面ですが、足元は重要は節目のラインまで戻ってきており、強気になれる状況ではない動きをしています。

またリップルの特徴としてリップルが普及するようなニュースは2018年からどんどん出ているものの全く価格の上昇に寄与していないということです。

チャートのトレンドを変化させるのはファンダメンタルズなのですが、リップルの場合ファンダメンタルズでいいニュースが出たとしてもすぐに売り圧力が強まる動きが繰り返されており、日本のリップラーと呼ばれる人達も流石に痺れを切らして損切りを行う人も今年は散見されました。

これが1年以上継続していることからかなりの売り圧力がリップルのマーケットでは強いということでしょう。

またもう一つ日本のリップルに対する考え方と海外の投資家のリップルに対する考え方は大きく違うのでご紹介したいと思います。

リップルは日本人は基本的にロングですが海外投資家は総じてショートを保有しています。

リップルの先物市場を作っているB2C2というイギリス本社のLPがあり、世界の機関投資家に流動性を提供している企業です。

この企業では日本人がリップルロングなものの、世界では総じてショートでリップルを年利20%でも貸して欲しいという人がたくさんいますという話もありました。

日本人がみている仮想通貨市場は海外投資家がみている仮想通貨市場の見方と大幅に乖離があるためこの点は常に投資家として注意して相場を予想することが大切と言えます。

またツイッターとかで日本人は情報を得ていますが、海外のサイトも少し視野を広げてチェックすることが大切でしょう。

リップルで利益が出せるトレードは?

最後に今後のトレード手法として一つご紹介したいと思います。

結論として基本は「リップルをショートでポジションを構築すること」がベターと考えています。

理由としては上記で述べてきた通りです。

そしてリップルと取引する通貨ペアは日本円ではなくXRPBTCをオススメします。

この理由は「仮想通貨市場ではビットコインの一強体制が継続しているから」です。

無理にリスクをとってXRPJPYとかXRPUSDとかの通貨ペアでリップル特有のリスクと仮想通貨市場全体のリスクを負うよりは、仮想通貨市場内での通貨ペアで行うほうが賢明な判断と言えます。

また現在のようにこれだけ顕著に強い通貨と弱い通貨が現れているのはなかなかないでしょう。

短期的にレバレッジをかけて値動きを取りたいならXRPJPYやXRPUSDの取引でもしょうがないと思いますが中長期的にポジションを保有したいということであればXRPBTCという通貨ペアも検討してもいいと思います。

もちろんこのXRPBTCの通貨ペアは仮想通貨市場全体が大きく下落していた場合はBTC建で利益が出ていてもBTC自体の価格が下落しているため円換算では損する可能性があります。

そのためXRPBTCロングというポジションを取った場合は、BTCのリスクをヘッジするために先物市場(BITMEXやbtbit等)でBTCUSDショートを作って価格変動リスクをなくすことが重要です。

この価格変動リスクがイマイチ理解できないという方は一度少ない金額でXRPBTCでトレードしてみてください

そして日本円がどのように動くかをチェックすると理解できると思います。

少し頭を使いますが必ずこの考え方は仮想通貨取引をする人にとっては必要なことなので勉強してみてください。

この記事に登場した専門家

証券アナリスト・中島 翔 (Sho Nakashima)

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。 その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。 その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。 さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。 仮想通貨トレードに関しても、仮想通貨取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 【保有資格】証券アナリスト