毎年2月15日から始まる確定申告。
仮想通貨で得た利益も課税対象になりますから確定申告が必要になります。
普段は会社勤めで確定申告は関係無いと思っているかもしれませんが、仮想通貨の場合は大きく関係してきます。
確定申告をしないと脱税になり大変なことになってしまいます。
では仮想通貨にはどれくらい税金がかかってしまうのでしょうか。
今回は仮想通貨にかかる税金についてや確定申告の方法、また確定申告をするのにおすすめなサイトについてもご紹介します。
仮想通貨の確定申告で気をつけるべき5つのポイント
確定申告は1年間に得た所得を計算して、課税対象分を納税することです。
仮想通貨の確定申告をするときの5つのポイントは以下になります。
- 前年の1月から12月31日に得た所得分が対象
- 2月16日から3月15日の期間に申請を行う
- 仮想通貨の税金は雑所得
- 所得税は累進課税
- 仮想通貨の所得と他の金融所得は損益通算できない
これらの内容をこれから詳しく説明していきます。
仮想通貨も課税対象になる
仮想通貨も利益分は所得とみなされ確定申告する必要があります。
そのため、確定申告の時期になったら前年度分の損益計算をして確定申告として記入する必要があるのです。
確定申告の対象期間と申請期間は覚えておくようにしましょう。
そして仮想通貨で得た利益は雑所得扱いとなるため、利益が出れば出るほど税金が徴収されます。
そのため、仮想通貨で「億り人」が続出しましたが、その分税金も高くなっているということですので気をつけましょう。
また、株やFXなど他にも投資している場合、それらと合算することが出来ない点も注意です。
意外と知らない確定申告のあれこれ
確定申告をする上で意外と知られていないことがあります。
- 課税対象になるもの
- 雑所得について
- 確定申告で必要なもの
- 青色申告と白色申告の違い
課税対象になるものは?
仮想通貨での所得が確定申告の対象となる期間は前年度の1月1日から12月31日で、そこで得た所得を確定申告として2月15日から3月15日の間に申請します。
その期間に仮想通貨で得た利益が課税対象になり、課税対象になる仮想通貨は以下の場合になります。
- 仮想通貨で物やサービスを購入(決済)したとき
- 仮想通貨を売却したとき
- 仮想通貨で別の仮想通貨を購入したとき
●仮想通貨で物やサービスを購入(決済)したとき
仮想通貨で物やサービスを購入すれば税金がかからないと思っている人が割と多いのですが、実際は仮想通貨で購入や決済をしても税金がかかります。
例えば、上記の図を見てください。
500万円を元手に仮想通貨を買って、その後1000万円分になったから車を購入したとします。
この場合利益分の500万円分が課税対象となりますので、その分税金を納めなければなりません。
つまり、元手との差額分の税金を払わないといけないということです。
これを知らずに確定申告をしないと後でペナルティも加算されて莫大な額の税金を納めなければいけなくなります。
●仮想通貨を売却したとき
仮想通貨を売却して日本円にしたときも課税対象になります。
このとき、仮想通貨を買ったときの金額よりも仮想通貨を売ったときの金額が大きいと、差額分が所得とみなされ、課税対象となります。
例えば、日本円100万円でビットコインを買って300万円分に高騰したときに売却をすると、「売却価格300万円ー購入価格100万円=200万円」が課税対象になります。
●仮想通貨で別の仮想通貨を購入したとき
仮想通貨で別の仮想通貨を購入したときも所得とみなされ課税されます。
仮想通貨同士の売買でよくあるのは、ビットコインやイーサリアムなどといった基軸通貨で、リップルやモナコインなどのアルトコインを購入するといったものです。
例えば100万円分でビットコインを購入して、ビットコインが値上がりして200万円分になったとします。
その200万円分のビットコインでモナコインを200万円分購入したら課税対象になります。
ちなみに日本円で仮想通貨を購入してから他のものや仮想通貨を購入したり、売却することなくそのままの状態で持っていれば課税対象にはなりません。
≪例外≫仮想通貨がハードフォークして新しい通貨を受け取ったとき
課税対象にならないのが仮想通貨がハードフォークして新しい通貨を受け取ったときです。
この場合、受け取った時点では新しい通貨は価値がないものとされ所得扱いにはなりません。
その通貨を使用するとその時に所得扱いになり、課税対象となります。
例えば、ビットコインがハードフォークされたとき、保有しているビットコインの枚数に応じて、ビットコインキャッシュが付与されました。
1BCHが付与されて、1ケ月後に30万円になったから売却するとした場合、30万円が利益として扱われ計算をする必要があります。
雑所得について
仮想通貨で得た収益は基本的に雑所得に区分されます。そのため、総合課税で申請することになります。
ちなみに仮想通貨を譲渡された場合は譲渡所得になりますが、ほとんどの方は雑所得になるでしょう。
雑所得は基本的に累進課税なので、所得が多ければ多いほど税率が高くなります。
しかも所得税の他に住民税も加算されますから最高で55%も税金で持っていかれます。
つまり、5,000万円で仮想通貨を購入して、売却時に1億円になった場合、利益分の5,000万円が課税対象になり、最高税率である55%が加算されます。
確定申告で必要なもの
また確定申告を行う上で準備をするものが何なのか知らない人も多いでしょう。
確定申告のときに必要な書類は以下になります。
- 確定申告書A
- 源泉徴収票
- 取引履歴のスクショやウォレットの残高
- 確定申告書B
- 医療費の明細書
- 生命保険料の控除証明書
※4~6は必要に応じて必要な書類
①申告書
確定申告書Aのみで大丈夫ですが、不動産所得や事業所得がある方や、分離課税、損失申請書を提出する方は確定申告書Aだけでなく確定申告書Bも必要です。
②添付書類(源泉徴収票)
③必要に応じて用意すべき書類
- 医療費の明細書:医療費控除を受ける場合
- 生命保険料や損害保険料の控除証明
④仮想通貨に関する書類
- 仮想通貨の入金・出金明細書
- 取引履歴をスクリーンショットしたもの
- ウォレットの残高をスクリーンショットしたもの
ちなみに取引履歴をダウンロードできる取引所は現在「bitFlyer」と「coincheck」のみです。
これらを準備して近くの税務署に提出をしましょう。
青色申告と白色申告の違い
確定申告をするときに白色申告と青色申告があるのが分かると思いますが、この2つは帳簿のつけ方と控除額に違いがあります。
- 白色申告:単式簿記で控除額10万円
- 青色申告:個人事業主として申告。単式簿記なら控除額10万円、複式簿記なら控除額65万円
白色申告のほうが帳簿をつけるのが楽だからです。
もしも税金の節約をしたいのであれば青色申告がおすすめです。
青色申告では複式簿記にすれば最大65万円も控除されるのです。
ただし、白色申告よりも簿記が大変なので、慣れていないと難しいかもしれません。
最近は確定申告ソフトがあり、簡単に申告を行うことができるのでそちらを利用してみるのも良いでしょう。
必要経費として計上できるもの
また、申告する際に以下のものは必要経費として計上することができます。
- 仮想通貨取引所でかかる手数料(取引手数料や振込手数料など)
- 仮想通貨に関する書籍代や新聞代
- 仮想通貨投資に関する有料情報(有料のメルマガやサイトの利用料など)
- 仮想通貨に関するセミナーへの参加費用や交通費、宿泊費など
- 筆記用具代
- 切手代
仮想通貨の確定申告におすすめな無料サービス
仮想通貨の確定申告をするのに、税金計算が大変だと思ってはいませんか?
最近仮想通貨の税金の計算をサポートするサービスがたくさんあります。
ここではいくつかご紹介していきます。
Cryptact
創業者が金融業界大手のゴールドマン・サックス出身ということで、計算の正確性が高いと言われるCryptact(クリプタクト)。
クリプタクトの魅力は国内外問わず対応している仮想通貨取引所が多いということです。
日本では取り扱っていない仮想通貨の銘柄を購入するために海外取引所に口座を持っている人には特におすすめです。
多機能ですがとても使いやすく、初心者から上級者まで人気の確定申告ツールです。
Keiry
連携している取引所やウォレットの残高や取引記録をアップロードして、簡単に損益を計算してくれます。
メールアドレスで簡単に登録できるのが嬉しいですね。
現在はベータ版でまだZaifとPOLONIEXしか対応していないのですが、無料で使えるのでこの取引所に口座がある人にはおすすめです。
BitTax
BitTaxは公認会計士で税理士の足立仁氏が監修したサービスです。
アドレスや氏名などの情報を登録することで、現在のベータ版なら無料で使用できます。bitFlyerやcoincheck、Zaifなら取引記録をアップロードすることで損益をボタン一つで計算することができます。
これらのようなサービスを使うことで、損益計算などを手軽に行うことができますのでぜひ利用してみてください。
仮想通貨の確定申告まとめ
仮想通貨でも合計20万円以上の利益が出れば確定申告が必要になることが分かったと思います。
仮想通貨で買い物をしたり、仮想通貨を売却すると課税対象となりますので、あまり利益が出ていない場合や、もっと儲けたい場合はあえて売却しないほうがいいでしょう。
確定申告は簿記をつけるのが大変ですので、フリーソフトなどを利用してサクサク確定申告を行っていきましょう。