やさしい仮想通貨の始め方を解説

Bitfury日本代表・紺野勝弥氏に聞く「マイニング投資の魅力と今後」

皆さん、こんにちは。皆さんは、仮想通貨のマイニングをした経験や、マイニングに投資をした経験はありますか?

仮想通貨のマイニングは、電気代や土地代の安さがその収益性に深く関係するため、現在の日本では、ほとんど行われていないのが現状です

また一時期マイニング投資を謳った悪質なマルチ商法による被害が相次いだため、マイニングに関して、あまり良い印象を持っていないという人もいるかも知れません。

しかし、マイニングは、ビットコインなどの仮想通貨のネットワークを維持する上での根幹となる重要な作業であると共に、本来、高い収益を生むものなのです。

そこで今回は、ビットコインのマイニング業者の老舗であり、世界有数の規模のマイニングファームを運営するBitfuryの日本代表である紺野勝弥さんに、マイニング投資の魅力や、日本における今後の活動について語って頂きました。 

Bitfury日本代表  紺野勝弥さんプロフィール

 

大学卒業後、ソフトバンクグループに入社。

米携帯電話事業者のスプリントやスナップディールといった、後にソフトバンクビジョンファンドのメインポートフォリオとなるような大規模M&A案件やベンチャー投資案件に従事。

2016年10月に、仮想通貨取引所を運営するQUOINEに参画。

同社の代表取締役を経て、現在は、Bitfuryの日本代表を務める。

 

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マイニングとは何か

Q. はじめに、マイニングについて簡単に教えていただけますか? 

ビットコインのような分散化されたネットワークにおいては、中央集権的な特定の管理者がいないため、世界中の有志がそれぞれノードを持ち分担して取引を記録し、整合性を確認する事でブロックチェーンネットワークの信頼性を担保しています。

この作業をマイニングと呼び、マイニングを行う事業者の事をマイナーと呼びます。

この作業の見返りとして、マイナーは報酬として仮想通貨を得るのですが、取引履歴の整合性を確認するためには、膨大な量のハッシュパワー(≒CPUパワー)が必要となるため、世界中のマイナー達は、膨大な額の設備投資をして競い合っています。

マイニング事業を行うBitfuryはどんな会社なのか?

Q. Bitfury とはどんな会社ですか?

Bitfuryは、2011年から仮想通貨のマイニング事業を行っており、現在、マイニング業界では、世界3番目か4番目の規模になります。

弊社は、チップの設計からマイニングマシンの開発販売、マイニングファームの建設・運営、そして、マイニングの金融商品化に至るまで、マイニングに関する一連のサービスをワンストップで提供しており、マイニングを信頼のおける金融商品として提供する事を目的としています。

また、マイニング以外にも独自のブロックチェーンの開発を行っており、ジョージア政府と共同で土地の登記をブロックチェーンで管理するシステムを開発している他、ブロックチェーン上で音楽著作権を管理・配信するプラットフォームなどを提供しています。

Bitfuryはどこの会社で、マイニングはどのような場所で行われているのか?

Q.Bitfuryは元々どこの会社ですか?マイニングはどのような場所で行われているのでしょうか?

BitfuryのCEOはラトビア出身で、副社長はジョージア(旧グルジア)出身です。

社員も旧ソ連の出身者が中心となっています。

エンジニアが7割近くを占める会社で、旧ソ連圏のエンジニア達は皆、数学に強く非常に優秀なメンバーが揃っています。

マイニングで収益を得るためには、より高性能なマイニングマシンを、より低いランニングコスト(電気代、土地代等)で運用する事が重要です。

そのため弊社では、カザフスタンのような中央アジアや北米といった電気代や土地代の安い寒冷地帯でマイニングファームを運営しています。

チップの設計から自社で行っており、ランニングコストの低い場所で大規模なマイニングファームを効率的に運営しているという点が、弊社の強みです。

マイニング事業で今後も収益を見込めるのか?

Q.中国系のマイニング企業が業界を独占しているという印象を持っている人も多いと思います。先日も、中国のカナン・クリエイティブが5nmのマイニング用チップを開発したと報じられましたが、どのようにお考えですか?

そもそも、仮想通貨のマーケット自体が中国のマーケットにより牽引されてきたため、中国系企業はマイニング業界の中心と言えます。

土地代と電気代が安く、マイニングマシンの製造環境も整っています。

しかし、マイニングは中国以外でも世界中で行われており、私たちのファームでは、2018年のビットコインの暴落時も安定して高い利益率を確保しています。

マイニングマシン用のチップの開発競争の話もありますが、半導体の性能は技術的に限界値に近づいており、今後、5nmが開発されても採掘効率が劇的に向上する事はないというのが私たちの見解です。

また、5nmのチップの開発に成功したと報じられていますが、大量生産し安定供給ができる体制が整うかどうかは別問題です。

それまでにはかなり時間がかかるだろうと思っています。

いずれにせよ、マイニングの収益化という意味では、高性能なマシンの確保の他にも、ランニングコストを抑えて、効率的かつ大規模に運営する事が重要になります。

弊社が過去2年間採掘した時のオペックスのグラフを見てみると、マシンの性能以外の条件もマイニングの律速要因である事と、現行のチップでも安定した収益を確保できる事が分かって頂けると思います。

【添付:過去2年間採掘した時のオペックスのグラフ】

出典:https://medium.com/meetbitfury/bitcoin-mining-and-electricity-price-a-new-paradigm-b65ff46d7e96

Bitfuryはビットコインの価格に左右されずにマイニングを続けられる

Q.マイニング投資というと収益性が定まらず不安定なイメージを持っている人も多いですが?

そもそもビットコインの採掘は、儲かるから世界中で行われているわけです。

これまでは、中国のマーケットがマイニングの利益を一番享受していましたが、弊社としては、より多くの国・地域の投資家さんたちにもマイニングの利益を還元していきたいと考えています。

直近ですと、弊社のマイニングファームでは,

月利4-5%の利益を投資家に還元しています。

普通の投資ではありえない数字ですが、マイニング業界では、実際にそれくらいの利益が出るのはごく当たり前の事であり、収益計算も正確に出来るのがマイニングの良いところです。

また、マイニング投資をする人の多くは、ビットコインなどの仮想通貨投資をしている人が一部マイニング投資にポートフォリオを移すというケースが多かったのですが、何故、ビットコインそのものを買うのではなくマイニング投資をするのかと言えば、ダウンサイドプロテクションが強いという事が挙げられます。

少し技術的な話をしますと、ビットコインの価格が下落すると、損益分岐点を割った競争力の弱いマイナー達から離脱するので、結果的にマイニングの競争率が下がり、残ったマイナーが採掘できるマイニング量が相対的に増えるのです

弊社は、マイニングに係るランニングコストを極限まで下げる事で、他のライバルたちがマイニングを止めなければならない価格になった局面においても採掘を続ける事が出来ます。

実際に、2018年に仮想通貨の相場が軒並み暴落した時も安定して運営を続けていました。

これまで日本でマイニング投資というと、マルチ商法的なお金の集め方をする業者も多くありました。

お金の集め方がどうであれ、利益を投資家に還元しているのなら良いのかも知れませんが、実際は、自社でマイニングマシンを採掘しているわけでもなく、中間業者が何社も入っていたりして、全く利益が出ない構造で投資を募っている業者も多く見受けられました。

先ほどお話しましたように、弊社はマイニングを信頼できる金融商品として世界中の投資家に向けて提供しております。

そのため、日本の金融商品取引業者のパートナーと共にマイニングファンドの組成を進めており、是非早期に実現したい取り組みの一つです。

マイニングファンドのように投資単位を小口化して、高利回りの金融商品として投資機会を提供することで、日本のリテール資産の大半が眠っている約1000兆円以上の貯蓄から投資へと少しでも移す流れを創りたいと考えています。

マイニング投資は個人でも始められるのか?

Q.マイニング投資は個人でも始められるのですか?

現在、弊社では約1000万円規模から投資を受け付けています。

個人の投資も受け付けていますが、減価償却ができるため、今のところ法人のお客様の方が多いですね。

マイニングは、昨年規制の入った米国不動産投資のようなスキームを使っている訳ではなく、一般の業務用PCと同様に耐用年数4年間の固定資産として減価償却できます。

マイニングは可能性が大きいマーケット

Q.今後の業界の展望についてどうお考えでしょうか?

仮想通貨の現物取引だけを見ると、レバレッジ規制が強化された事で、悲観的な見方をする方もいるかもしれませんが、規制強化後も日本国内の取引所でもGMOコインさんのように成長している取引所もありますし、先日、コインチェックさんが始めたステーキングのサービスなどのように、新しい取り組みも生まれています。

また、広い意味での金融の一手段として見れば、この業界はまだまだ始まったばかりですし、国際送金や決済手段なども含めれば、可能性が大きいマーケットだと思います。

中・長期で仮想通貨業界を見た場合は、展望は明るいのではないのでしょうか。

仮想通貨を資産の一部として保有することは意味のあること

Q.最後に読者に一言お願いします。

弊社のマイニングマシンの投資は約1000万円からと高額なものになってしまうのですが、ビットコインなどの仮想通貨そのものは、500円や1000円からでも買えるので、カジュアルに投資を始められるのが本来の仮想通貨投資の魅力だと思っています。

また、仮想通貨は、今の所株式や債券とは異なる相関を示しているので、自身のポートフォリオを分散させるという観点からも、他の資産と異なる相関を持つ資産として、仮想通貨を資産の一部として保有する事は、意味のある事だと思います。

仮想通貨を持っているか否かで、業界の見え方も変わってきますし、自分の資産形成の幅が広がるので、持っていないという人には、少額でもよいので保有して、より関心を持ってもらえればと思います。