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Guardian(ガーディアン)とは
Guardian(ガーディアン)とは、株式会社Aerial Partnersが運営する、全国の仮想通貨税務に精通した税理士を紹介するサービスです。
主に仮想通貨に関する税務申告者の「困った」をサポートするために、個人の確定申告のサポートや税理士サポート。法人向けの税務顧問プランなどのサービスが提供されております。
また同時に、税理士向けには仮想通貨損益の計算システムの提供や、計算の代行サービスを提供されています。
Aerial Partners沼澤代表について
株式会社Aerial Partners代表取締役。仮想通貨取引計算サポートと税理士紹介を行う『Guardian』、仮想通貨取引計算ツールである『G-tax』を提供している。Twitterの仮想通貨アカウント「二匹目のヒヨコ(@2nd_chick)」中の人としてブロックチェーン業界の会計・税務領域を中心に啓蒙活動を行っている。
会計コンサルティングファームであるAtlas Accounting代表として、仮想通貨交換業者の申請サポート・顧問業務の他、IPO支援やM&Aの会計デューデリジェンス等のアドバイザリーサービスを提供。複数のICOプロジェクトの顧問を務めており、一般社団法人日本仮想通貨税務協会理事も兼任。
はじめに:Guardianのサービス概要について
沼澤代表
しかし、仮想通貨に対する(国税庁からの)税務のアナウンスは年末であったということもあり、仮想通貨の投資家をサポートする税理士側の仮想通貨、そしてその税務に対する理解がまだまだ追いついていない状況です。
合わせて、国内の仮想通貨投資家は200万人を超えるといわれ、概算でも数十万という要確定申告者が生まれてきていたのですが、税理士の数が圧倒的に足りていません。
そこで、一般社団法人 日本仮想通貨税務協会(JCTA)を設立し、税理士先生たちの啓蒙と品質の上昇を目的に、一定品質水準を確保できる税理士の方には、「認定仮想通貨アドバイザー」という民間資格も発行して付与もはじめまして、こうした先生をGuardianで紹介するという事業を行なっております。
税理士先生の方々には、認定資格の他どのようなサポートを行なっていらっしゃるのでしょうか?
Guardianのサービスを立ち上げるきっかけ
その苦労した中で、まだ当時は仮想通貨の税務の周りがここまで社会課題になるとはみなさん認識していなかったので、最初はできるところからということでTwitterアカウントを開設して、ゴールデンウィークの時価の値上がりがあった直後に、税務情報の発信を初めて、3ヶ月でフォロワーが5000人を超え、この時期にTwitterでの無料で投資家のみなさんの相談に乗るという活動をDMではじめました。
DMはどのくらいの人から来たのでしょうか?
この頃には朝から晩まで返答するような状態となってしまい、先ほどの通り、助けなければいけない人が数万数十万といる中で、これは仕組み化していかなければいけないという思いから、個人の投資家向きにサポートする、そして仮想通貨取引所側の、投資家に対する情報開示を支援する事業を行おうと考えから、昨年10月に株式会社Aerial Partnersを立ち上げました。
多くの方から受け付けた税務相談の内容
質問というのは本当に多岐に渡るんですよね。
当時、秋口ぐらいのタイミングだと、国税のTAXアンサーで「ビットコインの使用に関する利益は雑所得になります。」という含みを持たせるアナウンスが流れたことによって、様々な憶測が飛び交っていました。
なので単純に売買だけではなく、マイニングやハーベスティング、8月のハードフォークを経験されている方もいらっしゃいましたし、レンディングをしていたりなどなど、種類が多岐に渡るという状況でした。
ここがこの我々がサポートさせて頂いている、仮想通貨の事業領域の難しさでもありまして、やはりルールの作るスピードよりも、仮想通貨をとりまく経済取引が複雑化していくスピードの方が確実に早いです。
もちろん単に自動化をしてすべて会計処理を完了するという目標を持っているのですが、それと同じくらい専門家サイドのプロフェッショナルジャッジができる人を増やしていくしかないなということを、質問領域が多岐に渡った時に感じております。
私たちは、一般社団法人日本仮想通貨税務協会(JCTA)の組織立ち上げもさせて頂いて、現在はマネーフォワードさんやエフアンドエムさん、みらいコンサルティングさんなどにもご協力頂いており、ロビー活動にも協力をいただけるような環境になっております。

インタビュー風景
仮想通貨の税金区分と今後のあり方について
現時点のように、具体的な法令や通達等がない状況においては、仮想通貨は税法の基本原則や、類似の取引を規定した条文に則った形で処理することになります。
しかし株やFXは、長い歴史の中で、政策的な配慮に基づいてある程度の税制優遇措置というのが個別に設けられているという状態です。
現時点では別段の取扱の定められておらず、税務上の優遇措置が整備されていない仮想通貨取引に係る雑所得は、他の所得との損益通算は当然できないものになりますし、損失を翌年度以降に繰り延べることもできません。
雑所得以外の他のものとの損益通算は当然できないものになりますし、そもそも雑所得には繰り延べ控除がありませんので、そもそも仮想通貨には税制優遇措置はない状況になります。
投資家としては、非常につらい所得区分になっていますね。
仮想通貨を取り巻く税法は厳しい区分になっているのですね。
ここは非常に難しいところでもあります。
仮想通貨の区分は、現時点での経済的実態に則していないかというとそうではないんですね。他の制度との内的整合性や、仮想通貨取引の経済的な実質を考えると雑所得に区分されることには、異論はないと考えています。
一方で、仮想通貨の投資家の方はこれだけ急激に増えていて、FXの口座数はだいたい700万口座程度なのですが、(仮想通貨は)2017年の1年間だけでも急激に口座数が増えている、こういった状況の中で、今後仮想通貨の投資でかかる所得税に関しても、国にとっても実益があるような前向きな制度改正というのは必要だと感じております。
仮想通貨の投資家にとって見れば、前向きな制度改正があるとありがたいですね。
我々もそういったところに関して、論点整理をJBA(日本ブロックチェーン協会)やJCBA(日本仮想通貨事業者協会)通して提出させて頂いたり、JCTA(日本仮想通貨税務協会)側でもそういった当局への情報の共有であったりを行なっている形です。
ありがたいことに、2017年度の仮想通貨の確定申告サポート数では、日本で一番ユーザーさんのサポートさせて頂いておりますので、サポート業務を通じて実務上浮かび上がってくる複雑な課題というものを、一つひとつ整理して、どういった対応をしていった方が良いのかを、制度側への働きかけはもちろん、我々のサービス側の改善、あるいは税理士先生に啓蒙しなくてはならない内容の確認にも役立てていけるというような形になっております。
仮想通貨の確定申告事情
仮想通貨の確定申告自体は難しくないですが、損益計算が非常に難しいので、結果として、仮想通貨の申告が難しいということになってしまっています。
理由は3点ありまして、一つは、単純に売買のみではなく、ハードフォーク、マイニング、レンディング、Airdrop、信用取引などがあるなど、仮想通貨の取引方法は非常に種類が多くなっている点です。純粋な売り買いのみだけではないので、計算の複雑性が増してしまっている状況にあります。
仮想通貨の取引手法が多くある中で、計算は複雑化しているのですね。
二つ目の点は、仮想通貨独特の部分になりますが、一人当たりの仮想通貨の口座数、ウォレット数が多くなりすぎてしまっている点が、株・FXと比べると違う傾向ということです。
各取引所やウォレット、マイニングプール毎に出力される取引履歴の形式は異なりますし、トークンの種類を含めると何千もあるので、日本で取り扱っていない仮想通貨取引所を計算に入れる必要があり、日本円での損益計算をするのが難しい状況があります。
確かに株やFXは、資産を取引所から違う取引所に移すなどのことはしませんし、日本円で損益を計算できる資産を扱うことができますが、仮想通貨やトークンなどは価値の計測も難しそうです。
最後に三つ目の点としては、いま現在は日本の投資家の方でも海外の取引所を開設できる状況なので、海外取引所で個人が使っている環境があります。例えば、日本でBTCを買って、海外取引所で利益を挙げているケースは、損益計算が大変です。なぜなら取引履歴が、取引の基軸になっているBTC(ビットコイン)建、ETH(イーサリアム)建で計算されているので、日本円で損益計算するのは大変な現状があります。
ビットコインやイーサリアム建で計算されていると、都度、日本円の価値と置き換えて計算する必要が生じて、複雑になってしまっているのですね。
マイニングの損益計算で、気をつけるべき点はありますか?
マイニングなどは諸経費などを含めて、損益計算を算出します。
Guardianの使い方と用意すべきもの
専門家への相談は、金額に関わらず行うべきだというのが私の考えです。
専門家へ相談することは、ただ所得税の金額を計算するだけではなく、所得税法上の知らない恩恵を知ることをできるので、投資家にとって大きなメリットです。(保険やふるさと納税についても同様です。)
当然のことですが、申告はしっかり申告された方が良いです。ポジショントークに聞こえてしまうかもしれませんが、「知らない」ことにより大変な思いをしている仮想通貨の投資家を、私自身たくさん見てきた経験からくる考えです。
昨年度の申告で、損益計算の難しさから諦めてしまった人はたくさんいらっしゃると思うのですが、これは本当に危険です。
そうなのですね。時期としてはいつ頃にご依頼する方が良いのでしょうか?
早ければ早いほど良いです。
Guardianの場合は、早くご相談を頂けると余裕を持って税理士先生をご紹介することができます。Guardianでは夏の終わりごろに、来期以降のお申し込みを予定しております。
また身近に、仮想通貨の税務に関するプロフェッショナルがいらっしゃるのであれば、6月からの依頼でも早くないくらいです。
Guardianに依頼する際には、損益計算の基となる取引履歴をダウンロードしたCSVファイルをご用意ください。また、マイニングなどをされている場合は、必要経費で使用した証明となる書類のご提出をお願いしております。
また、2018年度の確定申告期以降は、履歴をご自身でダウンロードして提出いただく方法の他、取引所のAPIから取引履歴を自動で取得できるようにもなる予定です。
その際、海外の取引所をお使いの方は、取引履歴が改ざんされていたり、誤りがあったり、履歴そのものを持っていなかったりすることがあるので注意が必要です。
取引履歴を遡ることのできる件数が限られている取引所やウォレットもあるので、その点にも留意して、日頃からご自身の投資履歴については保存しておく習慣をつけることが大切かと思います。
手元にある取引履歴や経費などを用意する必要があるのですね。
仮想通貨の投資家が会計上、心がけるべきこと
とにかく取引履歴や経費など、損益計算を行う上で必要となる書類はすべて手元におくように心がけて頂きたいです。
また、損益計算に通ずる取引履歴の扱いには注意を払っていただきたいです。
先ほど日頃から取引履歴を残すことが大切と申し上げましたが、意図せず取引履歴を消してしまうようなこと等もないように心がけたいですね。
例えば、取引所のアカウントを削除する際に、取引履歴を記録せずにセルフゴックスしてしまう事象や、取引所のサービス停止の際に記録できないままになることが、これらの行為に該当します。
沼澤さんからのメッセージ
仮想通貨投資を始めようと思った場合に、高いボラティリティや成長性をポジティブに捉えて、入ってくる方が多い印象がありますが、守りの部分として、確定申告に必要な情報の保管や、常日頃から相談のできる信頼のおける専門家パートナーの確保等、常に先手の対応を心がけていただきたいと思います。