キングさん
今後の為替はどうなるのかな?
では今回は、原油減産について、わかりやすく解説していきますね!
原油の減産は為替への影響が大きく、稼げるチャンスともいえます。
OPEC+やシェールガスなどの関係がわかれば、為替の動きが見えてくるので、おさえておきましょう!
- OPEC+とは、産油国の利益を守るための組織のこと
- OPEC+は、原油価格下落を防ぐために協調減産に踏み切った
- 原油価格下落の主要因はコロナショック
- 協調減産の効果は供給量の減り幅が少なく、大きな効果は見られていない
- 今後、原油価格上昇すると、円高のストップにつながりやすい
- OPEC+には反米的な国があり、減産をやめて原油価格を上げる状況も想定される
- アメリカのシェールガス採掘コストは高く、何らかの対応をする可能性がある
目次
OPEC+の原油減産が話題に!何が起きてるの?
何が起こってるの?
アメリカのシェールガス事業にも大きな影響が出ているなど、世界経済への波及も大きいんですよ。
また、原油減産は為替にも影響しており、円高が進んでいます。
原油減産によって為替がどう動いたのかを知りたい方は、以下の章からご覧くださいね!
OPEC+による原油減産の基礎知識
OPEC+とは?
これって、ヤバい?
この機会にサクッとOPEC+について、おさえておきましょう!
OPEC+は産油国の利益を守るための組織のこと
OPEC+とは、OPECにロシアなどの加盟していない国を加えた主な産油国のこと。
石油輸出国機構と呼ばれ、1960年につくられました。
有名どころの国は、サウジアラビアやクウェート、イラクなどがあげられます。
OPEC+はシェールガスの勢力に脅かされている
OPEC+はシェールガスの勢いに押されています。
この背景が、2020年4月の協調減産の引き金と考える人も。
原油や液化天然ガスと同じジャンルだと思ってください。
シェールガスがザクザク採れるって聞いたよ!
アメリカにはシェールガスがたくさん眠っているので、バンバン採れるわけです。
そりゃOPEC+から見たら、独り勝ちされちゃうんじゃないかって心配になるだろね。
たとえば、ロシアやサウジアラビアなどは、反米的と考える人も少なくありません。
【目的】なんのために原油を減産するの?
OPEC+が原油の協調減産に踏み切った理由は、原油価格の暴落を食い止めるためです。
原油をたくさん採り、余っている状態が進むと原油価格が下がります。
そのため、原油の採掘量を減らして、需要と供給のバランスをとろうとしているんです。
通貨の価値も需要と供給のバランスで決まるっていってたし。
円高や円安について気になる方は、以下のページをあわせてご覧くださいね!

【理由】なぜ原油を減産するの?
OPEC+が原油の減産を決めた背景には、新型コロナウイルスの拡大があるとされています。
世界中の経済が停滞することで、原油のニーズが大幅に減ったんです。
ってことは、飛行機や車のガソリンも使わなくなるもんな。
そのため原油の供給が増え過ぎ、減産の必要性が生じたんです!
為替はどうなった?OPEC+の原油減産効果
協調減産によってどんな影響があったのか、わかりやすくお伝えしますね!
リスク回避の円高が加速
協調減産が合意にいたった2020年4月9日の原油価格は以下のとおりです!

原油減産の効果が出なかった理由
原油を減産しても効果が出なかった理由は、需要の減り具合が大きかったから。
原油減産による供給減より、コロナショックによる需要減の方が大きかったことが原因です。
それに対し、今回OPEC+の協調減産量は970万バレル。
今後の為替は?原油減産の注目ポイント3つ
今後の為替を左右する原油減産について、注目ポイントは以下の3つです。
- 新型コロナの終息
- アメリカの動向
- OPEC+の追加減産
いずれも原油価格の上昇は投資家心理の改善につながり円高が止まりやすくなります。
反対に原油価格の下落は投資家心理の悪化につながり、円高になりやすくなるでしょう。
ポイント① 新型コロナの終息
原油価格の今後を大きく左右するのは、新型コロナの終息です。
新型コロナが終息に向かうと、世界経済が活発になるので、原油の需要の上がるでしょう。
それに伴って、リスク回避の流れが止まり、円高傾向も落ち着くと考えられます。
為替についても有事の円買いが加速しやすいでしょう。
ポイント② アメリカの動向
原油価格の下落で苦しんでいるのは、アメリカも同じ。
シェールガスを採るときのコストが大きいからです。
さらに減産されると、原油価格が上昇することも考えられます。
その一方で、アメリカが何らかの対応をすることで原油減産がストップすると円高が進みやすくなります。
ポイント③ OPEC+の追加減産
OPEC+が追加減産をすると、円高が止まりやすくなるでしょう。
減産量の追加は原油価格の上昇につながり、為替相場でもリスクオンの流れになりやすいからです。
原油価格が暴落する恐れがあるからです。
でも原油を減らさないと、原油価格が下落しちゃうからOPEC+は減らすしかないんじゃないの?
OPEC+のなかにはアメリカを敵視している国があるとされています。
アメリカの採掘コストは、サウジアラビアやロシアの何倍にもなるといわれていますからね。
OPEC+の協調がおじゃんになったように見せて、アメリカを追い詰めたかったのかも。
OPEC+は2020年3月に協調減産をやめた経緯があります。
原油減産でどうなる?為替のプロによる見通し
- ニッセイ基礎研究所
- FXプライムbyGMO
- 大和投資信託
- あおぞら銀行
プロの見通し① ニッセイ基礎研究所
ですが、長期的には回復に向かうといった見通しを立てているようです!
最後に今後の原油相場を展望すると、現在の1バレル20ドルという原油価格は長期的には持続不可能だろう。そもそも、この水準が続けば、高コストのシェールオイルや深海油田が生産停止に陥っていくうえ、世界的に新規の設備投資が手控えられることもあり、生産は減少に向かうはずだ。また、新型コロナウィルスの感染拡大もいずれ終息に向かうと見込まれる4ため、経済活動の再開に伴って需要も徐々に回復するだろう。
ただし、当面は供給過剰感が強く、原油価格の上値は押さえられるだろう。次回OPECプラス会合(前倒しがなければ6月)までは20ドル弱~30ドルでの推移を予想しているが、特に需給の緩みが意識される場面では、一時的に15ドル前後まで落ち込む可能性があると見ている。
出典:Bloomberg
プロの見通し② FXプライムbyGMO
以下はFXプライムbyGMOの常務取締役、上田真理人氏の見通しです。
海外勢が不在の中、本邦実需が売ったところでドル・円は海外勢を含めたストップを誘発
株を見ていると、不安感からポジションをあまり持ちたくないというところで、108円台でロングにしていた向きが次々手放している感じ。今のところ107円50銭はサポートされるとみているが、欧州も休みなので、あまりにもマーケットが薄く、不透明なところもある
出典:Bloomberg
プロの見通し③ 大和投資信託
次は、大和投資信託調査部のチーフエコノミスト、亀岡裕次氏の見通しをご紹介します。
株安と円高の動きで、米企業決算への警戒感、OPECプラス合意の減産規模が事前報道の範囲内だったことでの材料出尽くしや需給改善には不十分との見方が影響
今後、米国などで新規のコロナウイルス感染者数が増えていかなけければ、その部分はややリスクオンの円安要素になるが、米指標などで実体経済の悪さがあらためて確認される可能性もあり、ドル・円は大きな方向感は出にくい可能性も
出典:Bloomberg
アメリカの経済指標が悪いと、レンジ相場になる可能性も考えられるとのことですね!
アメリカの経済指標について詳しくお知りになりたい方は、以下の記事もどうぞ!

プロの見通し④ あおぞら銀行
最後に、あおぞら銀行の総合資金部部長、諸我晃氏の見通しを見てみましょう!
感染拡大はピークアウトしたとの話も出てきているが、米ミネアポリス連銀総裁から景気回復まで1年以上かかるとの話もあり、米株先物が下落し、午後になり日本株も一段と下げてきたことでドル・円は弱い展開
米株は先週楽観的に上げ過ぎていた面もあり、その調整もあって海外市場にかけても円高地合いが続きそう
出典:Bloomberg
株との兼ね合いを見ながら、リスクオンの傾向が出ると円高になるとの見通しです!
【まとめ】原油減産による為替への影響を理解して稼ごう!
最後に原油減産について、おさらいしておきましょう!
- OPEC+とは、産油国の利益を守るための組織のこと
- OPEC+は、原油価格下落を防ぐために協調減産に踏み切った
- 原油価格下落の主要因はコロナショック
- 協調減産の効果は供給量の減り幅が少なく、大きな効果は見られていない
- 今後、原油価格上昇すると、円高のストップにつながりやすい
- OPEC+には反米的な国があり、減産をやめて原油価格を上げる状況も想定される
- アメリカのシェールガス採掘コストは高く、何らかの対応をする可能性がある
あらためてコロナショックのインパクトがわかったよ。
シェールガスの勢いってすごいのね。
そのためにも、新型コロナの状況から目が離せないね!
大局的に見れば原油減産や為替の状況を把握することは難しくありません。
現在、新型コロナによって、世界的に金融緩和の流れが加速しています。
金融緩和については以下の記事でわかりやすく解説しているので、ぜひあわせてご覧くださいね!
