前編の模様はこちら!
目次
お話を伺ったDMM Bitcoinの田口 仁社長について
田口 仁(たぐち ひとし)氏
早稲田大学政治経済学部を1994年に卒業。
同年、三菱商事株式会社に入社。
その後はlivedoor、DeNAなどで新規事業の立ち上げや運用を手がける。
2017年に東京ビットコイン取引所の代表取締役に就任し、2018年から現職。
仮想通貨が今後決済に使われるようになったら?
*詳しくは前編をチェックしてみてください!

そもそもグローバルで信任されている通貨は厳しく見れば4つくらいしかありません。
米ドル、ユーロ、ポンド、日本円があり、そこにオーストラリアドルやキウィ(ニュージーランド・ドル)、中国系も入るかな、というくらいです。
この通貨チャンピオンというのは中央銀行だったり銀行を中心とした金融村みたいなものです。
各国の金融村が、通貨チャンピオンになるために名乗りをあげているイメージですね。
そして、そこでは為替の交換というネットワークが作られていて、仮想通貨はそこに殴り込みをしている感じだと思うんですよ。
現在は仮想通貨交換業者自体も仮想通貨のボラティリティーに対する依存度が高いビジネスモデルになっています。
決済のサービスが普及し、仮想通貨だったりトークンが使われる時代になった場合、このモデルから脱却する必要がある思っています。
早くて、1年-2年かもしれないし、長く見ると5年-10年後という人もいるかもしれません。
仮に10年かかったとして、仮想通貨に対する世間の関心がそこまで維持できるかというと、それも見当がつきませんよね。
仮想通貨事業の今後のチャレンジとは?
仮想通貨の通貨としての役割が今後どうなるかも含めて、ご意見をお聞かせください。
ひとつ目は、先ほど言った通貨チャンピオンを目指すチャレンジです。
もうひとつは、ネットガリバーと呼ばれる存在に対するチャレンジです。
言い換えると、この20年くらいで世の中のビジネスモデルを変えてきた人たちのことを指しています。
そうすることで世の中のビジネスモデルを塗り替えてきました。
つまり、この人たちは産業界の人たちから広告料をもらって、もらった広告料をもとに無料サービスをたくさん立ち上げてきたんです。
仮想通貨はフリーミアムモデルでここ20年間のインターネット業界を牽引してきた人たちにチャレンジしていると思います。
あれはまさしくそのモデルです。
情報自体が中央集権的に管理されていない、というようなことです。
トークンが使えなくなっちゃうのでポイント化されるのかな、と考えてしまいます。
それが世間の人たちに受け入れられるのかどうか、その辺が分からないんです。
仮想通貨vsネットガリバー勝敗はどうなるのか?
応戦された時に、仮想通貨のコミュニティーがそれに耐えられるのかというと、断言はできないですよね。
偶発的にできた仮想通貨コミュニティと、すでにネットガリバーと呼ばれるGAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)などが作る経済圏を超える仮想通貨の経済圏を作るのは時間がかかるのと、そもそもチャンレンジする相手が強すぎると思います。
だとすると、分散台帳技術(ブロックチェーン技術)が高度に発展した世界であっても、決済など様々な領域で生き残っている仮想通貨はないということになっちゃうんですよね。
これはどうなるかは分からないと思います。
おそらく去年ぐらいまでは、仮想通貨が一方的に攻撃する側に回っていました。
そして今年の夏以降から反撃を受けていた、というのはおそらくみんなが感じているんじゃないでしょうか。
ネットガリバーや通貨チャンピオン達の反撃
そうすると何が起こるかというと、法定通貨にペッグした独自の通貨を電子マネーとして出してきます。
Gincoさんなどがすでに実施していますよね。
LINEさんはもう始めましたしね。
その様子を横目に見ながら、SBIさんもSコインを発表しています。
楽天さんもそれに続くんじゃないでしょうか。
ところで、この際に買収した会社の親会社がどこだかご存知ですか?
実は、楽天カードさんなんです。
その会社が仮想通貨の事業を買ってライセンスを持つことにしたようです。
ということは、おそらく別の狙いがあると考えられますよね。
今後の仮想通貨事業のゆくえは?
最近のGMOさんの動きを見ている中で、やはり仮想通貨は証券ではないのだと感じました。
GMOさんはお名前.comやECプラットフォームなど色々なサービスを提供していますよね。
けれども、実はGMOさんは金融会社なんですよ。
株価みるとよくわかります。
その重要な子会社をご存知ですか?
そして、その株式の50%をGMOインターネットが保有しています。
5000億円の会社の50%持っているということは、簡単にいうと2500億円の資産があることになりますね。
GMOインターネットはその株式も8割保有しています。
つまり800億円ですね。
しかし、GMOインターネットさん自体の時価総額はその半分なんですよね。
アンダーバリューということです。
親子の価値が逆転しているねじれ現象が起きているんです。
そしてその中核を担っているグループが、円にペックしたトークンを独自に発行すると言っているわけです。
これはかなり注目に値するな、と思っているんです。
あとペイメントで250億円ぐらい手数料売り上げがあり、1%ほどの売上があります。
仮想通貨事業は証券と違う方向に進んでいくのか?
そう言った意味合いでいうと、いわゆるネットガリバーの人たちの反撃はすでに始まっているんでしょうね。
そうではなくて、チャレンジを受けていた側が自分たちの経済圏を守るという意味を含めて、ビジネス自体をブロックチェーンを含めたものに変えていくのか、というところでしょうね。
やはりすでに経済圏を持っていて、その経済圏に独自のトークンを使って広げていく方がはるかに醸成が早いと思います。
ただ、僕は使用シーンが違うと思うんです。
支払いやポイント制度は仮想通貨の方が相性がいいですし、今おっしゃっているペッグ通貨でいうとステーブルコインの方も開発がどんどん進んでいます。
これから全然期待していいのかなと思って見ています。
ただ、ここは難しいところです。
今、プラットフォームを提供しているイーサなどの通貨は、日々の生活で使うシーンが限定的ですよね?
やはり、こういったところが分からないですね。
元々の収益力があることと、自分たちのトークンを持つことで、簡単にいうと経常利益が5%〜8%引き上がるというのは大きな要因です。
250億円が毎年出てくるんですよ。
そうしたら、技術力も全て買ってこれてしまいますよね。
DMM Bitcoinは今後どのように仮想通貨事業を進める?
今日は暗めな話になっちゃいましたが、明るい未来を語る人もいます。
僕は個人的には結構シュールに見ています。
どんなシナリオでもDMM Bitcoinが生き残る術を考えなければ、と思っています。
また、Yahoo!が最近Pay Pay買収した点を見ても、今後は決済系の動きが活発になりそうです。
中国などの動きを見れば明らかですが、スマホ決済が主戦場になる。
そこにトークンが使えればいいのかなと思っていたりします。
その点についてどうお考えですか?
DMM Bitcoinを中心に収納代行や決済サービス事業領域を展開する、という戦略を具体的に描けるかは分かりませんが、やったら面白いかなという気がしていています。
DMM Bitcoin インタビューまとめ
田口社長による競合他社の分析から、DMM Bitcoinとしての今後の展望まで、普段なかなか聞けない刺激的な話がたくさん飛び出しました。
既存の金融ネットワークや業界の有力企業からの反撃に晒されるという今後の仮想通貨。
「主要仮想通貨 VS 通貨チャンピオン&ガリバー」という今後の構図は、バトル漫画のようでなんだかワクワクします。
今後の仮想通貨市場、そしてDMM Bitcoinの動向に注目です。
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