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ビットコインの確定申告を徹底調査!注意点まとめ

仮想通貨、ビットコイン、確定申告

2017年9月6日に、国税庁からビットコインを取引して得られた利益(キャピタルゲイン)は税金の対象となり、確定申告において申告対象となるという旨のタックスアンサーが公表されました。

2018年は、改正資金決済法(仮想通貨法)が施行されてから初めての確定申告 となりましたが、申告する側だけでなく、申告を受け付ける税務署側にもかなり混乱が生じたようです。

ビットコインの利益に税金がかかることは知っていても、どのような場合に確定申告が必要となり、どのような計算方法で申告すればよいかを完全に理解している人は少ないと思います。

そこで今回は、確定申告が必要となるケースとビットコインの税金の計算方法について、詳しく解説します。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、所得にかかる税金(所得税及び復興特別所得税)の額を計算し、税金を支払うための手続きです。

所得の計算期間は1月1日から12月31日の1年間で(個人の場合)、翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告・納税します。

下記の項目に該当する人は、確定申告する必要があります。

確定申告の必要がある人
  • 給与収入が2,000万円を超えている人
  • 2ヵ所以上の会社から給与を受け取っている人
  • 配当所得や不動産所得などの副業所得が20万円を超える人
  • 医療費控除、雑損控除などを受ける人
  • 住宅ローン控除を初めて受ける人
  • その年の途中で退職し、再就職しておらず、年末調整が受けられない人
  • ふるさと納税の納付先自治体が6ヵ所以上ある人

ビットコインで得た収入は、上記の「配当所得や不動産所得などの副業所得が20万円を超える」に該当した場合に確定申告しなければなりません。

ビットコインの所得は「雑所得」

国税庁から発表されたタックスアンサーには、ビットコイン(BTC)で得た利益は「雑所得」として申告する必要があると明記されています。

ビットコインだけでなく、イーサリアムやリップル、ビットコインキャッシュなどの仮想通貨も、ビットコインと同じように雑所得として申告する必要があります。

雑所得は、「総合課税」の対象となる所得です。

総合課税とは、給与所得などの所得と合算した課税所得に、所得税の税率をかけて所得税額を算出する課税方式です。

総合課税の対象となる所得
  • 利子所得 (源泉分離課税に当てはまるものや、一定の条件の特定公社債の利子を除く)
  • 配当所得 (確定申告不要制度や、申告分離課税を選択した場合を除く)
  • 不動産所得
  • 事業所得 (株式譲渡による事業所得を除く)
  • 給与所得
  • 譲渡所得 (土地・建物等や株式等の譲渡所得を除く)
  • 一時所得 (源泉分離課税に当てはまるものを除く)
  • 雑所得 (株式譲渡による雑所得や、源泉分離課税に当てはまるものを除く)

所得税には、課税所得が多いほど税率が高くなる「累進課税方式」が適用され、合計した所得が多ければ多いほど税額も高くなります。

税率は、課税所得に応じて5%から45%までの7段階に分かれています。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円~330万円以下10%97,500円
330万円~695万円以下20%427,500円
695万円~900万円以下23%636,000円
900万円~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円~4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円
ポイント
  • ビットコインは雑所得として申告する必要がある
  • 雑所得は総合課税に分類され、所得が多いほど税率が高くなる累進課税方式が適用される

雑所得は「損益通算」できない

雑所得は、「損益通算」はできません。

損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することです。

例えば株式投資の場合、株の取引によって得た利益(譲渡益や配当など)から、損失が出た分を差し引いて、税金を減らすことができます。

しかし、ビットコインの取引によって得た利益から、株式投資の損失分を差し引いて申告することはできません。(仮想通貨同士の損益通算は可能)

また株式投資の場合、利益から損失分を差し引いて損失が上回った分は、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越すことができますが、ビットコインは翌年以降への繰り越しはできません。

ポイント
  • 雑所得は損益通算できない
  • 損失の繰り越し控除もできない

ビットコインの税金の計算方法

では実際に、ビットコインを購入して値上がりした後に利益確定した場合、税金の計算方法がどうなるか見てみましょう。

ビットコインを売却した際の計算式は以下の通りです。

ビットコインの売却計算式

所得金額 = 売却価額 – 1仮想通貨あたりの取得価額 × 支払い枚数

例えば、100万円で10BTCを購入(つまり1BTC=10万円)し、ビットコインの価格が15万円に値上がりした時に10BTCすべて売却した場合、計算式は

50万円 = 150万円 -(100万円÷10BTC)× 10BTC

となり、100万円で購入したビットコインを150万円で売却して50万円の利益を得たということになります。

この50万円の利益から所得税を算出すると、

所得税 = 50万円(所得金額)× 5%(税率)- 0円(控除額)= 25,000円

となります。

さらに住民税がかかりますので(住民税は一律税率10%と仮定、地域により異なるため)、

住民税 = 50万円(所得金額)× 10% = 50,000円

となり、

25,000円(所得税)+ 50,000円(住民税)= 75,000円

75,000円がビットコインの利益にかかる税金となります。

株式投資の税金との違い

ビットコインの利益は雑所得となるのに対し、株式投資の売却益は「譲渡所得」に分類されます。

また株式投資の売却益は、ビットコインのように総合課税ではなく「申告分離課税」の対象となります。

申告分離課税とは、株式の譲渡により所得が生じた場合のように、他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方式です。

株式の譲渡による所得は、総合課税の対象となる所得と分離して課税され、また土地や建物等の譲渡による所得のような申告分離課税の対象となる他の所得とも分離して課税されます。

分離課税の税率は、利益の多い少ないに関係なく「所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%」となっています。

株式の売却で損失が出た場合、譲渡益や配当などと損益通算できます。(なお、他の譲渡所得や譲渡所得以外の所得との損益通算はできません)

さらに、損益通算してその年で相殺できなかった分は、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越すことができ、翌年以降3年間の株式売却益や配当との繰越控除(相殺)ができます。

またNISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、年間120万円までの投資なら株や投資信託などで得た利益(配当金、売却益)の税金がかかりません。

FXの税金との違い

FXにかかる税金は、ビットコインと同じく「雑所得」に分類されます。

しかし、ビットコインが総合課税であるのに対し、FXによる利益は申告分離課税の対象になっています。

FXの利益にかかる申告分離課税の税率は、株式と同じく「所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%」です。

またFXは、株式と同じように損益通算でき、損益通算してその年で相殺できなかった分は、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越すことができます。

ビットコインの節税方法は?

ご覧いただいた通り、ビットコインは株式やFXに比べると税制上かなり不利になっていますが、支払う税金を少なくできる節税方法もいくつかあります。

所得に応じて利確する額を調整する

ビットコインにかかる税率は、課税所得に応じて5%から45%までの7段階に分かれており、一定の額を超えると税率が高くなります。

そこで、いくらまでならビットコインを利益確定しても税額が上がらないかをあらかじめ所得金額から逆算し、その一定の範囲内を超えないように利益確定する金額を調整します。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円~330万円以下10%97,500円
330万円~695万円以下20%427,500円
695万円~900万円以下23%636,000円
900万円~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円~4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

例えば、所得金額が600万円となる見込みであれば、95万円まではビットコインを利益確定しても税率は20%で変わりません。

しかし、95万円以上ビットコインを利益確定すると、所得金額が695万円を超えるため、税率が23%に上がってしまいます。

したがって、利益確定の金額を95万円以内に調整すれば、支払う税金の金額を抑えることができます。

法人を設立する

個人の場合、住民税を含めると最高税率は55%となりますが、法人の最高税率は37%と18%も違います。

個人の場合、所得金額が4,000万円以上あれば所得税と住民税を合わせて約2,000万円かかりますが、法人であれば約1,480万円で済みます。

もし所得金額が1億円であれば、個人の場合は5,500万円となりますが、法人であれば3,700万円で済み、1,800万円の節税となります。

金額が多ければ多いほど節税メリットは高くなりますので、含み益が大きくなっている場合は法人化を検討してみるのも手です。

ビットコインの確定申告についてのまとめ

ビットコインにかかる税金は「雑所得」に分類されます。

雑所得は「総合課税」の対象で、総合課税は「累進課税方式」が適用され、合計した所得が多ければ多いほど税額も高くなります。

ビットコインは「損益通算」ができず(仮想通貨同士の損益通算は可能)、損失を翌年以降に繰り越しすることもできません。

株式投資の売却益は「譲渡所得」に分類され、総合課税ではなく「申告分離課税」の対象となります。

FXにかかる税金は、ビットコインと同じく「雑所得」に分類されますが、FXによる利益は申告分離課税の対象になります。

FXは株式と同じく、FX取引で損失が出た場合、他のFX取引で生じた利益と損益通算が可能で、相殺できなかった分は最長3年間損失を繰り越すことができます。

ビットコインは、所得金額から逆算して一定の範囲内を超えないように利益確定する金額を調整することで節税できます。

含み益が大きくなっている場合、法人を設立してビットコインを運用してみるのも良いでしょう。