仮想通貨相場の下落が止まりません。
2018年6月現在、ビットコインは一時6133.31ドル(約67万円)を記録し、2017年末につけた最高値から下落率は約70%に達しました。
かつてビットコインは、「買って持っているだけで儲かる」という簡単な相場が続いていましたが、最近は「ビットコインを買って儲かった」という話はすっかり聞かなくなりました。
しかし、ビットコインは「買い」だけでなく「空売り」もできます。
この下落相場で多くの人が含み損を抱えている中、ビットコインの空売りで儲けている人もきっといるはずです。
そこで今回は、ビットコインを空売りする方法や、ビットコインの空売りができるオススメの取引所について詳しく解説します。
目次
空売りとは?
- あらかじめ通貨を保有していない状態でも下落をみこみ売りから入る取引方法
- 信用取引・差金取引・レバレッジ・FXなどのあらかじめ取引所に資金を預けて行う取引でできる注文方法
- これらの取引では、仮想通貨を実際に保有はせず、資金から損益だけが引かれるもしくは足される
空売りとは、手元に持っていない現物を借りて売り、価格が下落したところで買い戻して利益を得る取引です。
株式投資では、空売りは信用取引における特徴的な取引方法の一つとして広く利用されています。
株の場合、証券会社(証券金融会社)から株を借りて売り、その後株価が下落したところで買い戻せばその差額が利益になります。
またFX(外国為替証拠金取引)も、証拠金を担保として預け入れることにより、手元にない通貨を売って値下がりを狙う取引を行うことが可能です。
ビットコインも、FXと同じように証拠金を担保として預け入れることにより、手元にないビットコインを空売りすることができます。
ビットコインはボラティリティ(価格変動)が大きいため、うまくいけば株やFXよりも大きな利益を出すことが可能です。
レバレッジとは
証拠金取引には、少ない資金を元手に大きな金額の取引を可能にする仕組みがあり、この仕組みのことを「レバレッジ」といいます。
レバレッジを利用すれば、手元にないビットコインを空売りすることが可能で、預け入れた証拠金の何倍もの金額の取引ができます。
例えばレバレッジが10倍であれば、10万円を証拠金として預け入れることによって100万円分の取引が可能で、レバレッジが25倍であれば250万円分の取引ができます。
レバレッジを使えば、少ない資金で効率良く取引できますが、レバレッジが大きければ大きいほど、わずかな損失で追証や強制ロスカットになる可能性が高まります。
投資資金に余裕をもって、無理のないレバレッジで取引することが大切です。
ビットコインの空売りができるおすすめ取引所TOP3
ビットコインの空売りの、全体的なイメージはつかめましたね。
ここからは、ビットコインの空売りにピッタリなおすすめ取引所TOP3を紹介していきます。
なお、ハッキングなどのリスク分散の観点から、必ず複数の取引所に登録しておきましょう。
空売りにおすすめな取引所第1位:GMOコイン
出典: https://coin.z.com/jp/
ビットコインの空売りでおすすめの取引所第1位は、GMOコインです!
GMOコインは東証一部上場企業である、GMOインターネット株式会社が運営元の親会社です。
上場企業のため信頼性は非常に高く、どんな人でも安心して取引できる点が魅力です。
また、取引画面が使いやすいことも、GMOコインが人気を集める理由の1つとなっています。
空売りは通常の取引方法とは少し異なります。
初めてやる方にはまったく未知のもので、不安を感じるはずです。
しかし、GMOコインであれば、空売り未経験の方でも画面を見ただけで直感的に操作をすることができます。
こうした使いやすさからも、GMOコインは空売りにチャレンジする方に非常におすすめです。
空売りにおすすめな取引所第2位:DMMビットコイン
出典: https://bitcoin.dmm.com/
ビットコインの空売りおすすめ取引所第2位は、DMM Bitcoinです!
DMM Bitcoinの運営元は、国内でも有数の大手企業であるDMM.comです。
企業としての信頼性はバツグンに高く、安心して自分のお金を任せることができます。
また、同社の魅力はビットコインだけでなく、6種類のアルトコインの空売りに対応している点も挙げられます。
そのため、「ビットコインの空売りだけじゃちょっと物足りないな…」といった方にも非常におすすめです。
アルトコインとは、ビットコイン以外の仮想通貨のことです。
空売りにおすすめな取引所第3位:BitMEX
出典:https://www.bitmex.com/
BitMEX(ビットメックス)は、香港とサンフランシスコにオフィスを構える仮想通貨取引所です。
BitMEXの最大の特徴は、最大100倍のレバレッジで取引できることです。
日本の取引所の場合、最大25倍までしかレバレッジをかけることができませんが、BitMEXはその4倍のレバレッジで取引できます。
BitMEXはゼロカットシステムを採用しているため、レバレッジ取引で損失を出しても証拠金以上の損失を被ることがなく、追証は発生しません。
また、BitMEXは日本語表記に対応しており、英語が苦手な人でも安心して利用できます。
BitMEXの入金はビットコインのみ対応しており、ビットコイン以外の仮想通貨を証拠金として預け入れることはできません。
空売りができる主要仮想通貨取引所一覧
取引所 | 対応通貨 | レバレッジ | 特徴 |
---|---|---|---|
bitflyer | BTC | 最大4倍 | 高速取引ツール「bitflyer lightning」でビットコインの空売りが可能 |
ビットバンク | BTC | 最大20倍 | 通貨ペアはBTC/USDのみ 追証なしで取引可能2019年4月現在サービス終了 |
GMOコイン | BTC | 最大10倍(2019.5.15より一律4倍に変更予定) | FX専用スマホアプリ「ビットレ君」が利用可能 |
DMMビットコイン | BTC ETH XEM XRP LTC ETC BCH | 最大4倍 | 7種類のアルトコインでレバレッジ取引が可能 |
Zaif | BTC MONA | 最大7.7倍 | 追証なしで取引可能 |
ビットポイント | BTC | 最大4倍 | MT4ツールで取引が可能 |
コインチェック | BTC ETH ETC | 最大5倍 | レバレッジ最大5倍 |
QUOINEX | BTC ETH QASH | 最大25倍 | 実効スプレッドが業界最狭 |
BitMEX | BTC ADA BCH ETH LTC XRP | 最大100倍 | 海外の仮想通貨取引所 ゼロカットシステムで追証不要 |
上記の表は、空売りができる主要な仮想通貨取引所一覧表です。
2019年4月時点で、国内の仮想通貨取引所はレバレッジの引き下げを行い始めています。
GMOコインやビットポイントなど、一律で4倍に変更したところなどがそれに該当します。
ビットコインの空売り方法・やり方
ここまで、空売りの全体像やおすすめ取引所を見てきました。
ここからは、具体的な空売りの方法・やり方を確認していきましょう。
今回はおすすめ取引所第1位のGMOコインと、第3位のBitMEXの空売り方法を紹介していきます。
GMOコインで空売りする方法
まずは、GMOコインで空売りする方法を確認していきましょう。
GMOコインでは、以下の2種類の販売形式から空売りをすることができます。
- 仮想通貨FX:かんたんにビットコインの空売りができる
- レバレッジ取引:注文方法は少し難しいがお得に空売りができる
今回はよりかんたんにビットコインの空売りができる、仮想通貨FXで空売りの方法を見ていきましょう。
取引銘柄の選択
出典: https://coin.z.com/jp/
GMOコインにログインしたあと、会員用ページに移動します。
すると、上記の画像のような画面になります。
画面左側のメニューバーから、赤枠①で囲った「仮想通貨FX」をクリックします。
その後、画像の赤枠②で囲ったタブから「BTC/JPY」を選択しましょう。
必要事項を入力する
出典: https://coin.z.com/jp/
すると、上記の画像のような画面になります。
この画面で空売りの数量や注文方法の選択など、注文内容の詳細を入力していきます。
今回は誰でもかんたんにできる、成行注文で空売りをしてみましょう。
まずは、売買区分の項目にある赤枠①の「売」を選択します。
次に赤枠②のところに、空売りしたい「数量」を入力します。
赤枠③の「スリッページ」は、どれくらいの価格の誤差まで許容するかを指定するものです。
最初のうちは難しいかもしれないので、入力しなくてもOKです。
最後に赤枠④の「確認画面へ」を選択します。
注文内容に誤りがないかを確認する
出典: https://coin.z.com/jp/
上記の画像は、注文内容の確認画面です。
自分が入力した内容に、誤りがないかを確認しましょう。
もし誤りがある場合には、画像下側にある「再入力」から前の画面に戻りましょう。
特に間違いがなければ、画像の赤枠で囲った「確定」をクリックします。
以上で、GMOコインでの空売り注文は完了です。
BitMEXで空売りする方法
次に、BitMEXでの空売り方法を確認していきましょう。
BitMEXは海外取引所であり、日本円の入金ができません。
そのため、国内取引所で仮想通貨を購入してから、BitMEXに送金を行う必要があります。
全体的な空売りまでの流れは、以下のようになります。
- 国内取引所でビットコインを購入する
- BitMEXに仮想通貨を送金する
- 入金されたビットコインを使って空売りを行う
今回はBitMEXの入金方法から確認していきましょう。
BitMEXヘの入金方法
まずは、入金方法から解説します。
BitMEXにログインし、画面上部の「アカウント」をクリックします。
画面左上の「入金」をクリックします。
自分の口座のビットコインアドレスが表示されるので、このアドレスにビットコインを送信すれば入金は完了です。
BitMEXで空売りする方法
次に、ビットコインを空売りする方法を解説します。
画面上部の「取引」をクリックします。
通貨ペアのタブを「ビットコイン(XBT)」に切り替えます。(BitMEXではビットコインをXBTと表記しています)
画面左上部の発注画面で発注方法を選択します。
BitMEXでは、以下の種類の注文が可能です。
- 指値注文
- 成行注文
- ストップ指値
- ストップ成行
- トレイリングストップ
- 利食い指値
- 利食い成行
ビットコインを指値で空売りする場合、発注画面の「指値」タブを選択します。
「数量」欄に購入したいXBTの価格分の数値を入力し、「指値」欄に購入したいXBTの価格を入力します。(または、板画面で購入したい価格をクリックすると自動的に価格が反映されます)
数量と価格を入力後、「売り/ショート」ボタンをクリックすれば、指値注文できます。
成行で注文する場合は、発注画面の「成行」タブを選択し、「数量」欄に購入したいXBTの価格分の数値を入力後、「売り/ショート」ボタンをクリックします。
BitMEXの取引手数料は、メイカーとテイカーで分かれています。
ビットコインの場合、メイカーは-0.025%、テイカーは0.0750%となっており、メイカーの場合は手数料を払うのではなく、受け取ることができます。
BitMEXでは、スライダーを動かすことによってレバレッジの倍率を変更できます。
レバレッジは、初期設定で「クロスマージン」となっています。クロスマージンを選択すると、レバレッジが最大値となり、ビットコインの場合、レバレッジは100倍となります。
空売りで使えるレバレッジ注文方法とは
ここからは、空売りで利用できる注文方法についても確認していきましょう。
今回は、下記の代表的な5つの注文方法を見ていきます。
- 成行注文
- 指値注文
- IFD注文
- OCO注文
- IFD-OCO注文
①成行注文
出典: https://coin.z.com/jp/
まずは、もっともポピュラーな成行注文から見ていきましょう。
ざっくりいうと、現在取引されている価格ですぐに購入(売却)できるのが成行注文です。
値段の指定などもしなくて良いので、かんたんで手軽に注文できるのが魅力です。
逆に価格にこだわって買いたい人には、不向きな注文方法といえます。
②指値注文
出典: https://coin.z.com/jp/
次に、指値注文を見ていきましょう。
ざっくりいうと、値段を指定して購入(売却)するのが指値注文です。
値段を指定できるので、価格にこだわって注文したい方にはピッタリといえます。
いっぽうで、指定した値段まで仮想通貨の価格が変動しなければ、指値注文は約定しません。
そのため、とにかくすぐに購入したいといった方には、少し不向きな注文方法といえます。
③IFD注文
出典: https://coin.z.com/jp/
3つ目に紹介するのが、IFD注文です。
IFD注文は、新規注文と決済注文を同時に発注するのが特徴です。
指定した価格になったら新規注文が出され、それと同時に決済の注文も発注されます。
「1BTCを50万円で買って、51万円まで上がったら売りたいな!」なんて時がありますよね。
この場合、通常の指値注文では、決済の注文を別途入れる必要があります。
いっぽうで、こうした時にIFD注文を出せば、決済の注文も一緒に出せるので手間が省けるのです。
④OCO注文
出典: https://coin.z.com/jp/
OCO注文はIFD注文と同じく、2つの注文を同時に出すことができます。
違いとしては、OCO注文の場合は1つの注文が成立すると、もう1つの注文がキャンセルされます。
これによって、自分が予想した価格と逆の方向に相場が動いても、柔軟に対応することができるのです。
⑤IFD-OCO注文
出典: https://coin.z.com/jp/
最後に、IFD-OCO注文を見ていきましょう。
名前の通り、IFD注文とOCO注文が組み合わさっているのが大きな特徴です。
具体的には、新規注文と同時に利益確定と損切りの注文も出せる注文方法です。
いくらになったら利確または損切りしたいのか、明確になっている方にはピッタリです。
IFD-OCO注文は非常に便利ですが、初心者の方は少し難しく感じるでしょう。
そのため、取引に慣れてから活用することをおすすめします。
ビットコインを空売りする時の注意点
下落相場でも利益を出せる魅力的な空売りですが、注意しておきたい点もいくつかあります。
ここからは、ビットコインを空売りする時の注意点を確認していきましょう。
証拠金をしっかり把握しよう
ビットコインの空売りで、証拠金を把握することはとても大切です。
空売りができるレバレッジ取引は、肝心な時に証拠金がなくて取引できないといったことがあります。
証拠金がいくらあるのか常に把握しておければ、大事なポイントで買い時を逃さずに済むのです。
レバレッジは少なめから始めよう
空売りはレバレッジをかけることで、自己資金よりも大きな金額で取引ができます。
レバレッジをかければ、利益が出た時にもその倍率を掛け算した利益を得ることができるのです。
いっぽうで、損失が出た時にも通常よりも大きな損失が発生します。
たとえば、レバレッジ10倍であれば、損失も本来の10倍になります。
レバレッジはシンプルなだけに破壊力が高く、プラスにもマイナスにも振れ幅が大きくなるのです。
特に仮想通貨は、価格変動(ボラティリティ)が激しいことでも有名です。
そのため、リスクを下げるためにも、まずは低レバレッジから取引をスタートすることをおすすめします。
追証とロスカットに注意
追証もビットコインの空売りで注意しておきたい点です。
証拠金に対して損失が一定水準以上発生した時に、追加で入金する証拠金のことです。
追証を入金しないと、強制的にポジションを決済されてしまいます。
また、この強制的なポジション決済をロスカットと呼びます。
ロスカットは大きな損失を発生しないために設けられた、親切な仕組みです。
いっぽうで、本来であれば自分が決済したくないタイミングで、ポジションが決済される可能性もあります。
空売りをする時には、追証とロスカットが発生しないよう資金に余裕を持って取引するようにしましょう。
ビットコインの空売りについてのまとめ
ビットコインの空売りは、FXと同じように証拠金を担保として預け入れ、手元にないビットコインを空売りできます。
証拠金取引には、少ない資金を元手に大きな金額の取引を可能にする「レバレッジ」という仕組みがあり、預け入れた証拠金の何倍もの金額の取引ができます。
ビットコインの空売りは、レバレッジを使って少額で効率よく利益を出せる可能性がある一方、ビットコインの価格が急騰すれば大きな損失となる可能性もあります。
証拠金保証率の限界までポジションを持つのではなく、余裕を持って取引しましょう。