これから仮想通貨の投資を始めようと思って調べていると、必ず出てくる専門用語が『採掘(マイニング)』です。
取引所の公式サイトや仮想通貨関連のブログで解説しているところが多いのですが、いまいちわかりにくいですよね。
そこで今回はビットコインの採掘(マイニング)について、どこよりも優しく解説します。
さらに、個人でもマイニングに参加できるクラウドマイニングについても触れます。
マイニングについてよくわからない方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
採掘(マイニング)って何をやっているの?
それでは、ビットコインのマイニングは実際に何をやっているのか見ていきましょう。
なお、今回はマイニングが全くわからない方向けにわかりやすさ重視で解説し、技術的な解説は省略しています。
マイニングは取引台帳をまとめる作業
ビットコインは世界中で毎日数億円〜数十億円の取引がされています。しかし、円やドルのように中央管理されている訳ではなく、ブロックチェーン技術で管理されています。
ブロックチェーンでは、ビットコインの膨大な取引データの1つ1つを「トランザクション」と呼び、個々のトランザクションをまとめて「ブロック」を作ります。
ビットコインの売買は、このブロックに書き込まれたときに実行されます。
- トランザクション:1つ1つのビットコイン取引データ
- ブロック:複数のトランザクションをまとめたもの
- ビットコインの売買はブロックに書き込まれたら取引完了
マイニングとは、このトランザクションをブロックにまとめて書き込む作業のことです。
つまり、マイニングをする人たちがいるおかげで、ビットコインが流通しているということですね。
ただ、『誰が・いつ・いくら取引したか』といった情報がダイレクトに書き込まれるのではなく、「ハッシュ値」という暗号化されたデータで保管され、一定のセキュリティを保っています。
『マイニングとは』→『azg9hztdmvz3yy97qg24ubzkmaep7ed5h9wsbpuc3twy499j6rujaxq9vndi9xyaxar9uijskcq9z686』
『まいにんぐとは』→『znst97b2mn6y4a6y2f7y66yybjajp5t45c2e4sedts34vpkesy9x2tiacezndb3bvasmza5fcwh76kwc』
※少し違いがあるだけで全く別のハッシュ値が生成される
このハッシュ値を生成する計算は複雑で、専用のスーパーコンピューターを大量に稼働させないと計算が大変な反面、答えがわかっていると簡単に正しい計算かを確認できる特徴があります。
例えば、「96631を因数分解しなさい」と言われると困りますよね。答えは「71× 1,361」ですが、答えを知っていると電卓さえあれば簡単に計算できます。
ハッシュ値を算出する計算はこんなに簡単ではありませんが、概ね同じようなことを計算してハッシュ値を出しています。
このハッシュ値の簡単に正しいデータか確認できる特徴から、不正なデータの生成ができず、ビットコインの安全性が担保されています。
- マイニングは取引データを1つのブロックにまとめる作業
- マイニングしているからビットコインが売買できる
- ブロックには「ハッシュ値」という暗号化されたデータで保存
- 「ハッシュ値」の計算は大変だが、正しいデータかの確認は簡単
採掘の報酬として新規ビットコインが発行される
前項でビットコインの売買は、マイニングしているから可能なのだとわかりました。
しかし、マイニングをする『マイナー』も、ボランティアでやっているわけではありません。
実はマイニングを行うと、かなりの報酬がもらえるのです。
10分毎に1,000万以上儲かる!?
ビットコインでは、10分毎にブロックが生成されます。
この時ハッシュ値の計算が終わっていないブロックの計算ができる状態になり、全世界で真っ先にハッシュ値の計算が終わった人に報酬として新規ビットコインが発行されるのです。
報酬として発行されるビットコインは12.5BTCで、1BTCが100万円の時なら1,250万円にもなります。
このマイニングの特性から、個人がマイニングに参加することが難しくなっています。
現在マイニングをする『マイナー』には世界各国の企業が惜しみなく設備投資し、1台数百万〜数千万円するコンピューターを何百台も連結させて日夜マイニングに明け暮れています。
家電量販店で購入したパソコンではアリが象に1対1の戦いを挑むようなもので、万に一つも勝ち目はないでしょう。
実際、SNSでマイニングを調べると結果報告している人が結構いますが、成功している個人はまず見つかりません。
- 1位のマイナーに新規で12.5BTC発行
- マイニングには超高速の専用マシンが大量に必要
- 個人でマイニングしても報酬獲得は困難
採掘(マイニング)はビットコインの取引にどう影響するのか?
ここまでの解説でマイニングについて大まかに理解できたかと思います。
しかし、実際の取引にどのように影響するのかわかりませんよね。
実は、現在のマイニングには「スケーラビリティ問題」という大きな問題点があり、取引所の取引やウォレットへの送金など、ビットコインを扱う様々な操作に大きな影響があります。
まずはビットコインのスケーラビリティ問題点を知り、取引にどのような与える影響を確認しましょう。
ビットコインのスケーラビリティ問題について
ビットコインのスケーラビリティ問題とは、ビットコインが1ブロックに保存できるデータ容量を1MBに制限していることで起こる送金処理の大幅な遅延のことです。
ビットコインのブロックは10分毎に作成されますが、このデータ容量に収まらない取引は次のブロック生成を待たないといけません。
SNSや仮想通貨関連のトピックで「送金詰まり」と言われるのがこのスケーラビリティ問題ですね。
2017年の仮想通貨ブームで利用者が増える前は、ビットコインの売買はすぐ反映されましたが、最近は取引した後かなり待たないと反映しないこともあります。
ひどい時には2〜3日反映しないこともあり、通貨としての性質を考えると大問題と言えるでしょう。
取引所の取引金額に大きな影響はない
スケーラビリティ問題の話を聞くと、想定外の金額で売買することになると不安になる方もいますが、実際に取引する売買金額には大きな影響はないので安心してください。
なぜなら、仮想通貨の取引所は、ビットコインを売買する場所を提供しているだけであって、取引自体は個人間取引だからです。
例えば取引所で1BTCを100万円で購入する場合、取引所が「売り手から1BTCを100万円で購入する」という取引データ(トランザクション)を作ってくれます。
この時点で売買金額が確定し、このトランザクションをマイナーが承認とブロックへ書き込みを行えば取引が完了します。
- 「1BTCを100万円」で指値注文
- 成立時に取引所がトランザクションを作成=購入金額が確定
- マイナーがトランザクションをブロックに書き込んだ時点で送金完了
すぐ送金したいなら手数料が高くなる
ビットコインを利用していると、必ず送金処理をする機会が訪れます。
- 取引所から自分のウォレットへ送金
- 別の取引所へ送金
- ビットコイン対応ショップでの買い物で送金
送金時には必ず送金手数料を設定することになり、送金手数料はマイナーに支払われます。
この送金処理を先着順に処理されると思っている方がいますが、実はマイナーは手数料を高く設定している取引(トランザクション)を優先的にブロックに書き込みます。
つまり、手数料をあまりにも安く設定すると、いつまで経っても送金されないということです。
例えばZaifでは送金手数料は0.0001BTC(約100円)以上で設定できます。
しかし、実際には0.0001BTCでは全く処理されないことが多く、0.001BTC(約1,000円)程度に設定に設定することが推奨されています。
次にブロック生成される10分後に送金を反映させたいなら0.005BTC(約5,000円)程度に設定した方がいいでしょう。
このようにビットコインをすぐに送金したい場合は、手数料が高くなってしまいます。
- スケーラビリティ問題で送金遅延が起こっている
- 送金遅延で取引金額が変わることはない
- すぐ送金したい場合は少し高い手数料が必要
クラウドマイニングなら個人でも参加可能!
ここまでの解説でマイニングの内容や報酬、取引に及ぼす影響がわかりました。
マイニングは個人で参加は難しいとお伝えしましたが、大きな報酬が魅力的ですよね。
実は、最近はクラウドマイニングというサービスが増え、個人でもマイニングに参加しやすくなっています。
クラウドマイニングとは?
クラウドマイニングは、企業が出資者を集めて大規模なマイニング設備を運営し、出資者に配当を分配するサービスです。
主に仮想通貨取引所を運営する企業がサービスを行い、国内でもDMMやGMOなどがサービスを展開しています。
ほとんどのサービスで低投資でも始められるプランが用意されており、お試し感覚での参加も可能です。
クラウドマイニングの最大のメリットは、マイニングにかかる設備投資や維持費を気にせずに参加できることでしょう。
マイニングには高額な専用マシンを大量に用意する必要があり、24時間フル回転させることで小規模のマイニング設備でも電気代が数百万円かかります。
日本では電気代が高いので、マイニング設備はは中国やアイスランドなど海外拠点に置く必要があるのもネックになりますね。
クラウドマイニングではこうした設備投資・維持費は出資先の企業に任せ、マイニング報酬の配当を待つのみとなります。
また、一度契約したら1年以上継続的に配当がもらえるサービスがほとんどです。
そのため仕事の忙しい方や取引で利益を出すことに自信がない方も、クラウドマイニングに参加することで資産を増やす機会を得られます。
- 低額でもマイニングに参加できる
- 維持費・システムトラブルの対応などは業者任せ
- 1度の出資で長期間配当がもらえる
一方、クラウドマイニングのデメリットはマイニング報酬の全額をもらえるわけではないということです。
配当金額は出資金に比例するので、出資額が少なければ当然配当も少なくなります。
また、配当金は通常ビットコインで支払われます。
相場が動かなければ、概ね3〜4ヶ月で出資金額が回収できるペースで配当が支払われますが、ビットコイン相場が急落した場合は損失になる可能性もあるということです。
さらに、開始直後のクラウドマイニングサービスは出資者がしっかり集まるかというリスクもあります。
万が一出資者が増えずにマインング設備に十分な投資がされない場合、大手のマイナーや他のクラウドマイニングサービスとの競争に負けて配当が全くない可能性もあります。
確実に配当がもらえるサービスではないということをしっかり押さえて出資するようにしましょう。
- マイニング報酬が全額もらえるわけではない
- ビットコイン相場によっては損失の可能性がある
- 新規サービスは出資者が集まらない可能性もある
- 配当が確実にもらえる保証はない
クラウドマイニングは個人でも簡単にマイニングに参加できますが、しっかりリスクも確認してから参加してください。
オススメのクラウドマイニングサービス
クラウドマイニングを始めたい方のために、今オススメのクラウドマイニングサービスを3つ紹介します。
どのクラウドマイニングサービスも、国内利用者が非常に多いところのみです。
そのため満員で契約できないこともありますが、安心して利用できる特徴があります。
1位 GenesisMining(ジェネシスマイニング)
GenesisMiningは、6通貨に対応したクラウドマイニングサービスで、クラウドマイニングを行っている人は誰しも1度は使うほどの有名サービスです。
ビットコインのみならずイーサリアムやライトコインにも対応しています。
将来性に期待が持てる通貨のマイニングに参加できることから、1番収益を出しやすいと言えるでしょう。
ただ、ここ最近はクラウドマイニングに興味を持つ人が増えすぎたために新規申込できないことが多くなっています。
これから始める方は毎日公式サイトをチェックして、募集をかけている時を狙うしかありません。
裏を返せば、それだけ多くの方に利用されているので、信頼性抜群ということですね!
取り扱い通貨 | ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、DASH、MONERO、ZCASH |
---|---|
最低価格 | $179〜 |
ハッシュレート | 1,000GH/s〜 |
オススメ度 | ★★★★★ |
2位 HashFlare(ハッシュフレア)
HashFlareもクラウドマイニングの人気業者です。取り扱い通貨も5種類と豊富で、自動で再投資するプランがあることで複利を狙えます。
また、ハッシュレートが10GH/sからと少ないプランも選べることで、お試しで始めたい方はとりあえずHashFlareから始めるといいでしょう。
取り扱い通貨 | ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、DASH、ZCASH |
---|---|
最低価格 | $1.2〜 |
ハッシュレート | 10GH/s〜 |
オススメ度 | ★★★★☆ |
3位 Hashnest(ハッシュネスト)
Hashnestは、マイニング用機器を開発・販売する中国のBitmainが運営するクラウドマイニングサービスです。
クラウドマイニングサービスとしては採掘量No.1なので、クラウドマイニングで収益化するならかなり優秀なサービスと言えるでしょう。
ただし、ハッシュレートでの契約ではなくマイニング機器を丸ごとレンタルする契約なので、ほかのサービスより初期投資は大きくなります。
レンタル料金も流動していて一番安い機器レンタルは約$2,000、およそ100日で元が取れる計算になります。
取り扱い通貨 | ビットコイン |
---|---|
最低価格 | $2,000〜 |
ハッシュレート | 504MH/s〜 |
オススメ度 | ★★★☆☆ |
ビットコイン採掘(マイニング)まとめ
今回はビットコインの採掘についての解説と、個人がマイニングに参加できるクラウドマイニングを解説しました。
マイニングを行うマイナーがいるからこそ、中央管理されていないビットコインが安全に取引できるのですね。
- マイニングでトランザクションをブロックに書き込む=取引が完了する
- ブロックには「ハッシュ値」という暗号で書き込まれる
- 真っ先にマイニングを完了すると5BTCがもらえる
- ビットコインは1ブロック1MBなので送金遅延・手数料高騰が起こっている
- マイニングには膨大な設備投資と維持費がかかり個人参入は難しい
- クラウドマイニングを利用すると個人でもマイニング可能
今回解説した内容をまとめると、上記の6項目になります。
ビットコインで利用されているブロックチェーン技術はさまざまな業界から注目されている技術で、細かな内容はかなり複雑です。
しかし、ビットコインやアルトコインに投資する分には今回解説した知識があれば十分でしょう。
実際に取引をしていく中で、必要になる方は少しずつ詳しくなります。
これから仮想通貨投資を始める方は、オススメの取引所を利用してぜひ仮想通貨売買をはじめてみてくださいね!