2020年3月26日現在、新型コロナウイルスによる世界的な混乱が収まる気配がありません。
イタリア・スペインでは死者が数千人を超えており、日本でも東京を中心に爆発的な感染の増加(オーバーシュート)が起こりそうな雰囲気です。
大規模な都市の閉鎖(ロックダウン)、外出禁止・自粛による生産活動の停止により、世界の経済・金融市場にも大きな影響が出始めています。
ビットコインも例外ではなく、記録的な暴落を起こすなど大きな混乱が生じています。
いったい今後、ビットコインはどうなっていくのでしょうか?
など、今後のビットコインについて心配な方向けに、新型コロナウイルスによる騒動とビットコインの関係について解説しています。
証券アナリスト中島 翔
見方は色々ありますが最終的に中期的な投資で考えたら参加者が増えている中大きく下がり続けることはないだろうと考えています。
【証券アナリストが解説!】コロナショックとビットコインの関連性
- コロナショックの市場相場は、株・金・ビットコインが軒並み暴落する局面に
- FRBの金融政策で一時盛り返すも完全回復までは時間がかかる見通し
- ビットコインは、安全資産である金も下落した相場で回復の動き
- デジタル・ゴールドとしての一定の評価を得ることになった
- ビットコインの今後は上昇トレンドになることが見込める
- ビットコインが下落している今が買い時のため、始めるにはコロナ相場が絶好のチャンス
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- コロナショックでお得になったビットコイン、買い時は今!!
コロナショックの市場状況|株・金・ビットコインの価格推移
ビットコインの今後について予測するために、新型コロナウイルスに関する出来事と、それらに関連した日本株、アメリカ株、金、ビットコインのこれまでの価格推移について知っておきましょう。
- コロナショックが起こるまでは、日本、アメリカともに株高で好景気を享受していた
- 金・ビットコインも上昇トレンドにあった
- 2020年2月下旬にコロナショックが発生し、日本株、米国株ともに-20~-30%の大暴落
- 株安に強いはずの金・ビットコインまでも-10~-20%の大暴落
- 2020年3月下旬のFRBの量的緩和発表を受け、株価、金、ビットコインともに大幅に回復
- 相場は回復基調にあるものの、コロナ騒動が収まるまでは乱高下に注意
新型コロナウイルス登場初期の市場状況
2019年12月上旬、中国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が発生し、その後、武漢市内で集団感染が広がっていきました。
2019年12月31日、世界保健機関 (WHO) に最初の報告がされ、2020年1月7日に新型のコロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因であると特定されました。
当初は武漢市のみでの集団感染にとどまっていましたが、2020年1月16日には日本で、1月19日には韓国で最初の感染者が出たことを皮切りに世界中に感染が広がっていきました。
この頃、世界各国の株価は2007年のリーマンショック(世界金融危機)以降の最高値付近で推移しており、空前の好景気を享受していました。
日本の株価

日経平均

TOPIX
新型コロナが広がって行く中、日経平均とTOPIXも2020年2月中旬頃までは大きな動きはありません。
日経平均は23,000~24,000円付近、TOPIXは1,600~1,700ポイント付近で推移していました。
アメリカの株価

NYダウ

S&P500
米国株も同様で、2月下旬頃までは最高値付近で推移していました。
NYダウは28,000円付近、S&P500は3,300ポイント付近で推移していました。
金(ゴールド)
安全資産と言われる金も順調に上昇を続けており、2020年2月25日には1980年に記録した最高値「1g = 6,495円」に迫る「1g = 6,484円」まで上昇しました。
ビットコイン
「デジタル・ゴールド」と言われる「ビットコイン」も金と同じように2月下旬頃までは上昇していました。
2月には100万円を突破、2月13日には約5ヶ月ぶりとなる高値「1BTC = 115万円」を記録しました。
世界同時株安(コロナ・ショック)が発生
2020年2月末頃に世界各国の株価が大幅に下落しました。
新型コロナウイルスの感染が世界中に広がる中、世界中の人々が集会やイベント、外出などを控えるようになりました。
様々な経済活動に大きな打撃を与えるようになり、景気後退を懸念した投資家の売りが先行し世界的な大暴落につながりました。
日本の株価

日経平均

TOPIX
日経平均は2020年2月25日から下落し始め、2020年3月23日には16,570円まで暴落しました。
TOPIXも同様で、2020年2月25日から下落し始め、2020年3月23日には1,278ポイントまで下落しました。
約1ヶ月で約25~30%ほども暴落したことになります。
アメリカの株価

NYダウ

S&P500
空前の株高が続いていたアメリカでも大幅な株安となりました。
NYダウは2020年2月24日から2020年3月23日かけて19,000円付近まで暴落、S&P500も2,300ポイント付近まで暴落しました。
金(ゴールド)
「金」は安全資産と言われており、通常の金融市場では株安になると金の価格は上昇します。
しかし今回のコロナショックでは、世界同時株安に遅れること数日で金価格も大幅な下落となっています。
2008年のリーマンショック時にも、株と金が同時に暴落する事態が起こっており、いかに今回のコロナショックの影響が大きいかがわかります。
ビットコイン
世界同時株安とほぼ同時くらいに下降トレンドに転換し、3月12日には一気に-20%の大暴落を記録しました。
「1BTC = 80万円」程度から一気に「1BTC = 60万円」程度まで暴落しました。
翌日にはさらに下落し一時は40万円台まで下落する記録的な暴落となりました。
FRBの金融緩和発表で盛り返す
2020年3月15日、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利をほぼ0%にまで切り下げ、7,000億ドル規模の米国債買い入れなどの量的緩和策を発表しました。
しかし株価は下げ止まらず、2020年3月23日、FRBは追加の量的緩和を発表。
当初の7,000億ドル規模から、無制限の量的緩和とすることを発表しました。
これにより株価は大幅に盛り返しました。
日本の株価

日経平均

TOPIX
日経平均はFRBによる無制限の量的緩和の発表を受けて大きく上昇しました。
連日の続伸で25日には前日の終値よりも8%上昇し歴代5位の上げ幅を記録しました。
このまま回復していくことが期待されていますが、3月26日には再び下げに転じるなど乱高下が続いています。
アメリカの株価

NYダウ

S&P500
NYダウ、S&P500ともにFRBの量的緩和を受けて大幅に上昇しました。
24日~26日と連日の続伸となっています。
26日には、新型コロナウイルスに対処する2兆ドル(約220兆円)の経済対策がアメリカ上院で可決されました。
「何が何でもリーマンショックの二の舞にはしない。」というアメリカ政府の強い覚悟に大きな期待が寄せられている格好です。
金(ゴールド)
FRBの利下げ、量的緩和の発表を受けて、金相場は大きく上昇しました。
3月26日時点で「1g=6,349円」とほぼ世界同時株安以前の水準にまで回復しています。
リーマンショックの際にも一時は暴落した金ですが、その後、最高値にまで上昇しています。
今回も同じような動きになるかはわかりませんが、世界中がリスクオフに傾いている中、安全資産である「金」に対する期待は大きいと言えるでしょう。
ビットコイン
金ほどの大きな動きではないですが、金と同じくらいのタイミングでビットコイン価格も上昇に転じています。
3月26日時点で「1 BTC = 73万円」程度で推移しています。
ビットコインはその特性から「デジタル・ゴールド」と言われており、金と同様の安全資産であるという声も多いです。
世界の株価が不安定になる中、今後、ビットコインの価格がどのように動くは大きな注目を集めています。
コロナ相場でのビットコインの評価と市場の見通し
以上の価格の推移を踏まえて、価格変動の要因分析を行い、今後について考えてみましょう。
【証券アナリストが解説!】コロナショックとビットコインの関連性
安全資産である金も暴落したコロナショック
一般的に、景気後退などの懸念が大きくなり、投資家がリスクオフ(リスク回避)に傾いた場合、株式や新興国通貨などのハイリスク・ハイリターンな資産から、ローリスク・ローリターンの比較的安全とされる資産へ資金が移動します。
金(ゴールド)、米国債、日本国債などが代表的な安全資産です。
しかし、今回のコロナショックでは、金(ゴールド)、米国債などのリスクオフ資産までも売られており、大きく暴落しました。
これには大きく2つの理由が考えられます。
- 信用取引での追証を賄うため
- 安全資産でさえ不安に感じ、現金化しておこうという投資家心理
米国株は連日のように最高値を更新する空前の好景気にありました。
そのためレバレッジをかけてロングポジションを取っている投資家も多数いました。
それらの投資家が今回の暴落で追証・ロスカットが発生し、金や国債などの安全資産をも売却して現金化したため、金や国債なども暴落したと考えられます。
また、今回のコロナ騒動の収束が見えず、少しでもリスクを取りたくないという不安が大きくなり、手持ちの資産を精算して現金化した投資家も多数いたと思われます。
ビットコインはコロナ相場で『デジタル・ゴールド』として一定の評価を得た
ビットコインはその特性から「デジタル・ゴールド」と呼ばれ、「金」と同じ安全資産であるという見方があります。
その主張の根拠となるビットコインの特性とは、「希少性」と「独立性」の2つです。
希少性
ビットコインは発行上限数が決められており、価値の希薄化が起きにくいです。
モノの価値は需要と供給の関係で決まります。
欲しい人(需要)が多く、供給が少なければ価値は上昇しますし、反対に、需要が少なく、供給が多ければ価値は減少します。
ビットコインは明確に発行上限が決まっているので、欲しい人が増えれば増えるほど価値は上昇していくということです。
金も同様で、金は無限に地下に埋まっているわけではなく、採掘量には上限があります。
独立性
たとえば米国株や米ドルなどはアメリカ経済に依存していますし、日本株、日本円も同様です。
株式や通貨、国債などはカントリーリスクと隣合わせです。
極端な話、戦争やテロによってその国が壊滅的な打撃を受けてしまうと、株式や通貨、国債などの価値は限りなくゼロになってしまうリスクもあります。
しかし、金やビットコインは特定の国によってその価値が担保されているわけではありません。
このような独立性が、今回の疫病や戦争のような世界の混乱時には支持される要因となります。
これらの「希少性」と「独立性」の2つが金とビットコインが持つ共通した特性です。
このことからビットコインは金と同じ安全資産となり得ると言われています。
今回のコロナショックの値動きを見ていても、危機に強い資産として、一定程度、評価されていると言えるでしょう。
コロナショックはリーマンショックとは違う
今回のコロナショックを「リーマンショックの再来だ!」と叫ぶ人がいますが、コロナショックとリーマンショックは根本的に違います。
リーマンショックを一言でいうと「バブル崩壊」です。
返済能力の低い人が高金利でお金を借りて住宅を購入し、結果的に返済ができなくなり、金融機関が破綻するという出来事に端を発した「金融危機」です。
リーマン・ショックとは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ通称である。
出典:Wikipedia
しかし、コロナショックは「ウイルス感染を抑止するために経済活動を自ら停止したことによる生産性の低下」です。
もしワクチンが完成したり、コロナウイルスの拡大に一定の歯止めができれば、経済活動を再開し、すぐに元通りに回復させられます。
今後の市場動向は、コロナの脅威がいつまで続くかがポイント
コロナの脅威が去れば、すぐに元通りに経済を回復させられると言いましたが、あまりにもこのコロナ騒動が長引くとそうも言っていられなくなります。
すでに業績悪化で倒産する会社もちらほら出てきているようですし、このような状況が長引くと、リーマンショック時のように回復まで長い年月がかかる本格的な不況になってしまう可能性もあります。
参考 世界景気後退の懸念強まる 金融危機発展に警戒感―新型コロナ時事ドットコムニュースそうさせないために、アメリカ政府は2兆ドル(約220兆円)規模の財政出動を決定しました。
参考 米上院、2兆ドル経済対策を可決 26日にも成立の公算日本経済新聞日本はどのような支援策を打ち出すのか具体案はまだ決まっていないようですが、政府による財政出動の効果が出ているうちに、コロナウイルスの脅威が収まるかどうかが今後、本格的な不況に入ってしまうのかどうかが決まるポイントです。
ビットコインの価格は今後どうなる?買い時は?
以上を踏まえて、ビットコインの今後について考えてみます。
長期的には上昇トレンドにいると考えて間違いないでしょう。
2020年3月26日現在は「1BTC = 約73万円」付近で推移していますが、コロナショックが起きる前は「1BTC = 約115万円」程度まで上昇していました。
コロナウイルスの騒動が収まれば、上昇トレンドに転じてまた価格は上昇していくでしょう。
【証券アナリストが解説!】コロナショックとビットコインの関連性
コロナウイルスの騒動が長引き、リーマンショック時のような金融危機にまで発展してしまうと、金やビットコインも再び暴落してしまう可能性もあります。
しかし、欧米諸国を筆頭に大規模な財政出動などを行い、金融危機を回避するための政策を打っているので、本格的なリセッション(景気後退)に入る可能性は低いのではないでしょうか?
むしろ、本来の価格よりも値が下がっている今がビットコインの買い時と言えます。
短期的にはちょっとしたニュースで乱高下するかもしれませんので、底値で買うのは諦めましょう。
コロナ騒動後を見据えた長期的目線で、バーゲン価格になったお得なビットコインを今のうちに買っておきましょう。
ビットコインを買うならおすすめの取引所
初めてビットコインを買う方へおすすめの仮想通貨取引所をいくつか紹介しておきます。
- 安全性
- 使いやすさ
- コスト(手数料)
- サーバーの強さ・流動性
安全性
ハッキングなどで仮想通貨を盗まれたりすることのないよう、しっかりとセキュリティ対策に力を入れていることはもっとも重要なポイントです。
使いやすさ
初めてでも簡単にビットコインを買える使いやすさ、スマホアプリなど取引ツールの充実度も重要です。
コスト(手数料)
取引手数料や入出金手数料など、ビットコイン購入費用以外にかかってくる余計なコストは低いほうがいいに決まっています。
サーバーの強さ・流動性
今回のような多くの投資家が殺到し、乱高下する相場状況でも問題なく取引できる取引環境を構築できるいるかどうかも要チェックです。
おすすめ取引所その1:コインチェック(Coincheck)
いまもっとも日本で人気のある取引所のひとつが「コインチェック」です。
パソコン版でもスマホアプリでも直感的に操作できる使いやすい取引ツールが用意されており、初めてでも簡単にビットコインを買えます。
長年、証券会社を運営してきたマネックスグループの豊富なノウハウの元、セキュリティ対策にはもっとも力を入れています。
ビットコインやイーサリム、リップルなどメジャーな仮想通貨以外にも、リスク(LISK)、ステラルーメン(XLM)、クアンタム(QTUM)など、他の取引所では買えない将来有望なアルトコインも取り扱っているのも魅力です。
おすすめ取引所その2:GMOコイン
株式やFXなどのネット証券を長年運営してきたGMOグループの仮想通貨取引所です。
取引手数料やクイック入金手数料など各種手数料が無料なので、非常にコストが安いのが特徴です。
販売所、取引所、仮想通貨FXとあらゆるサービスを取り扱っており、投資スタイルによっていろいろな取引ツールを使い分けられます。
安全性も高く、いままでハッキングなどによる仮想通貨の不正流出を起こしたことはありません。
まとめ
以上、新型コロナウイルスに関連した「日本株」「アメリカ株」「金」「ビットコイン」の価格推移を整理した上で、今後のビットコインについて考えてみました。
結論としては「短期的には乱高下するかもしれないが、長期的には割安になっている今がビットコインを購入するチャンス」です。
景気後退が懸念され、世界同時株安が起こっているような混乱時に、「買い」に出るのは心理的ハードルが高いかもしれません。
しかし、「恐怖で買って、強欲で売る。」ことが投資で成功するための哲学です。
これは世界的投資家「ウォーレン・バフェット」の投資信条です。
人々が恐怖にかられて手持ちの資産を叩き売りしているときに割安で買い、人々が「もっと上がるはず!」と強欲にかられているときに売って利確するのです。
恐怖や強欲に支配されることのないよう、冷静にこの混乱を乗り切って行きましょう!
