2017年設立の仮想通貨ヘッジファンドMulticoin Capitalが2018年の年次書簡の中で、低迷した仮想通貨市場に関わらず、Multicoin Capitalのパフォーマンスはビットコイン(BTC)やHold 10 Index(仮想通貨の時価総額トップ10指標)など関連指標を上回ったと報告した。
2018年を通してビットコインとHold 10 Indexはそれぞれ-73.6%と-79.2%の結果となったのに対し、Multcoin Capitalのパフォーマンスは-32.9%に収まった。2018年第4四半期(10~12月)においては、ビットコインとHold 10 Indexはそれぞれ-43.5%、-45.9%であったのに対して同ヘッジファンドは6.2%のプラスであった。
また、2017年10月1日に創業してからのMulticoin Capitalのパフォーマンスは67.5%となっており、同期間のビットコインが-13.7%、-25.6%であるのに対して好パフォーマンスだと報告している。
Multicoin Capitalは2018年の相対的な成功について、ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)、リップル(XRP)が大きく割高になったタイミングを狙ったショートポジションによるところが大きかったとし、またビットコインに比べて時価総額の小さな仮想通貨が2018年は下落するとした予測が正しかったと振り返っている。
またイオス(EOS)については予想が外れて大きな損失を出すこととなったが、それでもイオスは2018年に他の仮想通貨との差別化や利用シーン拡大には成功したと見ているとしている。
2019年については、Multicoin Capitalは引き続き売り圧力は継続すると捉えており、また「51%攻撃」(仮想通貨のネットワークに対する攻撃の一種)への不安が市場への重しになると予想。ただし、仮想通貨の機能向上にとって期待される「セカンド・レイヤー」(ブロックチェーンのネットワーク外における機能実装)のソリューションや、分散型金融(DeFi)の進展については楽観的にみている。